手紙の書き方・文例/敬語の使い方

社会人として知っておきたい敬語ベスト5……印象UPする!

社会人となりますと、これまで通りの言葉遣いでは通用しないものです。うっかり誤った敬語を使ってしまったばかりに、失礼な人などと誤解を受けてしまうのは避けたいですね。そんな注意すべき敬語のいくつかをあらためて見直してみましょう。

井上 明美

執筆者:井上 明美

手紙の書き方ガイド

社会人が知っておくべきNG敬語5選! 言い換え例を解説

社会人として知っておきたい敬語

社会人となりますと笑ってはすまされない敬語の間違いもあります、自身の印象UPにもつながる敬語の注意点、言い換え例を見てみましょう。

学生の間は笑ってすませたり、相手の方も「まだ学生だから」と大目に見てくれることがあっても、就職活動の場や社会人となるとこれまで通りとはいかないものです。自分ではそんなつもりがなくても、うろ覚えや思い込みでうっかり言葉遣いを誤ってしまったばかりに、失礼、気遣いが足りないなどと誤解を受けてしまうこともあります。ビジネスの場面では、敬語は対面や電話での話し言葉だけでなく、メールや手紙などの文章言葉としても欠くことができないものです。

せっかくの熱意を生かし、自分の評価を上げるためにも必要な「間違えやすい敬語」「言い換えが好ましい敬語」を再度見直してみましょう。
 
<目次>
 

1位:「なるほどですね」

よく耳にする言葉です。しかし、実際に自分が言われてみると何だか違和感を覚えるという人も多い言葉です。「ですね」をとって「なるほど」のみで用いても同じことがいえます。「なるほど」とは、相手の言葉を受けて、自分も同じ意見、気持ちであることを述べるという意味の上では間違いとはいえません。しかし、「なるほどね~」「なるほど、なかなかいいんじゃない」などのように、同意や納得以外にも相手の話した内容に対して、自分が評価するような印象も与えます。

ですから友達や同年輩どうしならば問題なくても、目上の人が話した内容に対する相づちとしては、好ましくない、抵抗感があるといわれるのでしょう。年代や地域、個人差もあるかもしれませんが、気になるという人も多い言葉ですから、特に目上の人に対しては言い換えるほうが好ましいでしょう。

■ふさわしい言い換え例
「はい」
「おっしゃる通りと存じます」
「はい、わたくしもそのように感じております」など。
 

2位:「こちらでいいですか」「こちらでどうですか」

「いいですか」と「よろしいですか」を比べた場合「いい」よりも「よろしい」のほうが丁寧で改まった感じを受けますね。「どう」も同じです。「具合どう?」では普段のままの言葉遣いです。「どう」の部分を改まった言い回し(改まり語)にして、「(お)具合は、いかがですか」のように「いかが」を用いましょう。

■ふさわしい言い換え例
「こちらでよろしいですか」
「こちらでいかがですか」
 

3位:「お名前を書いてもらってもいいですか 」

使う側としては,「いいですか」を用いることにより配慮の気持ちを表したいのかもしれません。しかし、このような場面では、名前を書いても書かなくてもいいわけではなく、「書いて」と相手に依頼しているわけです。相手が書く、書かないを選べるわけではないのですから、ここは許可を得ているような誤解を受ける表現は避けて、お願い、依頼の気持ちをこめた言葉を用いるほうが自然でしょう。

■ふさわしい言い換え例
「(お手数お掛けしますが/ご面倒をお掛けいたしますが)こちらにお名前をお書 きいただけますか」
「こちらにご署名願います」など。

※「~してもらってもいいですか?」の詳細についてはこちら
 

4位:「カタログを拝見していただきまして」

どこが間違いなのか?間違えている部分も大事です。「~して」を「される・なさる」などの尊敬語に換えて、「カタログを拝見なさっていただきありがとうございます」にしても間違いに変わりはありません。「拝見」の部分が誤用ですね。「拝見」は自分側の謙譲語ですから、相手の行為に対して用いるのは誤りです。

■ふさわしい言い換え例
「カタログをご覧いただきありがとうございます」
 

5位:「はい、了解しました」

「了解」とは、相手の言っている内容に対して、それをわかった、わかったうえで認めるなどの意をもって使われる言葉です。例文も、相手の話に対して「わかった」という意味でよく使われています。意味としては間違いでなくとも敬意が含まれた表現ではありませんから、友達や同僚など親しい間柄どうしで「ごめん、少し遅れる、あと5分ぐらい」「了解」などであれば問題ないでしょう。しかし、目上の人に対しては別の言葉に言い換えるほうが礼を欠く心配もありません。

■ふさわしい言い換え例
「(注文を受けて)たしかに承りました」
「かしこまりました」
「承知いたしました」など。

言葉遣いだけで人が評価できるわけではありませんが、言葉は自分の意思を伝えるためだけのものではなく、使う人自身を映す鏡のようなものです。常識がない、無礼などという印象を与えてしまわないためにも、よく使う言葉は見直して、相手や場面にふさわしい表現を用いましょう。

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