ヒストリウム
ブルージュの街の中心Grote Marktに面し、西フランダース州庁舎の左側に位置しているのが、2013年にオープンした新しいミュージアム『ヒストリウム』。19世紀のネオゴチック様式の建物を改装したもので、もともとは州庁舎の一部として使われていたものです。一歩踏み込むと、15世紀、ブルゴーニュ公爵善良公フィリップの時代にタイムスリップした気分にさせてくれます。オーディオガイドに従って、いくつかの部屋を巡っていくと、隆盛を極めたブルージュの運河に沿った船着き場や穀物倉庫、税金徴収係の役所や、ヤン・ヴァン・アイクのアトリエなど、五感を通して疑似体験することができるように作られています。それぞれの部屋にスクリーンが設置され、ヤコブという青年による35分間の映画も交えて紹介されています。古く暗く、静かに見学しなければならない美術館や博物館と異なり、お子さんでも楽しむことができるでしょう。
オランダ語・フランス語・英語・ドイツ語・中国語・日本語と、さまざまな言語のオーディオガイドが用意されていますが、残念ながら日本語は映画の部分が訳されていないので、少しわかりづらいかもしれません。想像力を全開にして15世紀、ヤコブの時代に浸ってください。
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■Historium Brugge ヒストリウム・ブルージュ
住所:Maekt 1
開館時間:毎日10:00~18:00、木曜日は21:00まで
休館日:1月1日・12月25日
入場料:大人11ユーロ、子ども14歳まで5.5ユーロ
レースセンター
レースセンターは、街の中心から1kmほど外れた北東にあるので、駅から歩いていくにはちょっと元気が必要かもしれません。しかし、ブルージュは、ちょっとでも観光ルートを外れると、地元の人々が今もひっそりと自分の生活を楽しむ中世のような街角に遭遇することができるので、そんな発見のチャンスとも言えます。地図を用意し、ブルグ広場から、ホテルの角をHoogstraatに入ってまっすぐ進み、運河を越え、最初の角を左に曲がって(Molenmeers通り)5分ほどまっすぐ歩いてみてください。
角にある小さなエルサレム教会が見つかったら、その横がレース学校兼レース博物館。建物は、15世紀、当時のお金持ちが、教会とともに建造された、『神の家』(貧しい人々に施しをする当時の社会福祉センターのようなところ)だったそうです。
ここでは14~17時まで、レース学校の授業が行われ、これを一般客も参観することができます。ボビンレースの制作に励む生徒のほとんどは、ご年配の女性たちですが、熟練度の高い人は100個ものボビンを使いこなし、見事な腕前を見せてくれます。
かつて、レースは、豊な貴婦人達のおしゃれな服装の一部として珍重され、極めて高価なものでした。併設の博物館では、こうした歴史ある高価なレースの数々を鑑賞することができ、お土産屋さんの店頭に並ぶ安物レースとの違いに、思わずうなってしまうものです。
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■Kantcentrum レース・センター
住所:Peperstraat 3a
開館時間:月~土曜 10:00~17:00、デモンストレーション 14:00~17:00
休館日:日曜、祭日、1月1日、12月25日
入場料金:3ユーロ、65歳以上・学生・7~12歳まで2ユーロ、6歳以下無料