ブルージュで美術館三昧

(c) PAM Photo graphie

ブルージュに数あるミュージアムの中で、街の景観に溶け込み、ブルージュの歴史とともに生きてきたのは、この聖ヨハネ病院跡のメムリンク美術館と言えるでしょう

ブルージュの別名は「天井のない美術館」―その名の通り、歴史的な、そして、現代ベルギーを象徴するさまざまなミュージアムがあります。雨が多く、冬の長いベルギー。興味と気分の赴くままに、好みのミュージアムを訪ねて見るのも、ブルージュの楽しみ方のひとつです。

では、まず、美術館としてもっとも有名なグルーニング・ミュージアムからご紹介します。

グルーニング・ミュージアム

ヴァン・アイクやクノップスが見られる

グルーニング美術館

ブルージュを代表する美術館といえば、なんといっても、グルーニング・ミュージアムでしょう。初期フランドル派の中でも、世界的に有名なヤン・ヴァン・アイク、ヒューゴ・ヴァン・デル・ゴース、ヘラルド・ダヴィッドなどの作品をはじめ、20世紀に至るまでの、非常に質の高い作品が所蔵されています。

圧巻はやはりヤン・ヴァン・アイクによる『ヴァン・デル・パール』の祭壇画。これを観るだけでも、ブルージュを訪れる甲斐があると言い切る人もいるほど。死期を目前にした司祭ヴァン・デル・パールが、どんな病に苦しんでいたかをも描き出してしまうその写実性、左側に描かれた聖ドナチオンのまとうマントの質感には、言葉を失うほどの奥深さがあります。

15世紀以降、港に堆積した砂によって主要な港としての役割を失い、16世紀にカルロス5世によって港が完全に閉ざされると、その栄華が消え去られ、静まり返っていったブルージュ。その後、作家ジョルジュ・ローデンバックの小説『死都ブルージュ』によって、にわかに注目を浴び、眠れる森の美女のように目を覚ますこととなりました。

このローデンバックは、「ノスタルジー」「メランコリー」などをキーワードとする象徴主義を代表する作家。日本でもよく知られる象徴主義の画家といえばクリムトですが、彼に強い影響を与えたとされるフェルナン・クノップフは、ここブルージュで幼少期を過ごし、それが作風を形作ったといわれています。クノップフによるパステル画「秘密-反射」は、小品ながらあまりにも美しく、その時代のブルージュを味あわせてくれます。

<DATA>
Groeningemuseum (グローニング・ミュージアム)
住所:Dijver 12
開館時間:火~日曜9:30~17:00 
休館日:月曜(ただし、復活祭と昇天祭の月曜は開館)、1月1日、9月5日の午後、12月25日
入場料:8ユーロ、65歳以上と25歳以下6ユーロ、12歳以下無料