Q:マシューズさんは日本語が非常に上手ですね。日本語を習おうと思ったきっかけは? 楽屋で加治屋さんと日本語でお話しすることはありますか?
マシューズ>(日本語で)ありがとうございます。日本語はすごく難しいので、ここからは英語でお話しします……。日本に何度も踊りに来れているのはとてもラッキーなことだと思っていて、それなら日本の方たちと日本語でコミュニケーションを取れたらいいなと思ったのがきっかけです。日本は本当に文化的に深い国で心惹かれるものがあり、将来ダンサーを引退したら日本に住みたいと思っているくらい(笑)。
加治屋さんとはときどき日本語で話しますが、とても難しいので僕がよく間違えて、すると彼女がそれを訂正してくれたりと、少しずつ上達していると思っています。みなさんとそうやって少しずつでも日本語でのコミュニケーションができたらと思っています。
(C) Tokiko Furuta
Q:マシューズさんはラトマンスキー版の『くるみ割り人形』を2013年12月にブルックリンで踊られていますね。その見所を教えてください。
マシューズ>ラトマンスキーの『くるみ割り人形』は、振付としては非常に難しいものです。2013年の12月に加治屋さんをパートナーに踊りましたが、パ・ド・ドゥを非常に楽しく踊ることができました。難しさの中にもそれをこなしながらひとつひとつ踊り進んでいくことによって、一緒に舞台に立っているパートナーとのコミュニケーションが一段一段高まっていくような振付でした。だからこそ難しいとも言えるのですが、ダンサーひとりひとりのメッセージ性というものを十二分にいかせる振付だと思っています。加治屋さんもきっと同じような感覚だと思います。
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Q:ボッレさんとスターンズさんは『マノン』でデ・グリューを踊られますが、どういったイメージで役作りをしていますか?
ボッレ>デ・グリューという人物のマノンに対する愛情がどういう所にあるかというのが全てだと思います。これは全く無限の愛の姿、究極に純粋な愛の姿だと思っています。あらゆる文学作品で男女の愛を題材にしたものは数限りなくありますが、その中で一番純粋に愛の姿を映している役だと思います。
つまりそこには相手に向かう愛があり、だからこそ生じる裏切りというものがある。それを忠実に演じるということで、ご覧になっているみなさんの心をいやがおうにも掻き立てるもの。それは全て、愛情がどういった質のものかという所に根源があると思っています。ぜひみなさんに私のデ・グリューをみていただけたらと思います。
(C) Tokiko Furuta
スターンズ>『マノン』はマクミランの振付ですが、まず振付家がつくった振りを通してどういう人物を描こうとしていたのか、ということを考えます。つまりマクミランの意に沿う正しい解釈はどういうものなんだろうというのが現在の私のアプローチなんですが、その方法としてはやはり身体が振りを忠実に表現していくということに全てがあるのではないかと思っています。
この役をデビューしてから今自分は密度の濃い学びの過程にいて、演じるたびに“こういったことは把握できていなかった”、“こういったことは表現しきれていなかった”とその都度勉強していて、公演の前に先生方と特訓をする度に先生への質問が増えている。だから自分としては“これが僕のデ・グリューだ”という境地に達したというよりは、そこに達すべく研鑽を重ねてる段階だと思います。
(C)Tokiko Furuta
公演情報
『マノン』
会場:東京文化会館
2014年2月27日(木) 18:30
2月28日(金) 13:00
2月28日(金) 18:30
3月1日(土) 13:00
問合せ: ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040
『くるみ割り人形』
2014年3月2日(日)
会場:兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
問い合せ: 芸術文化センターチケットオフィス (0798)68-0255
http://www.japanarts.co.jp