スーパーフードと言われるチアシード、その効果は?
大きさは少し小さめの胡麻くらいのチアシード。様々な健康効果があるとして、注目されているスーパーフードです
古くから薬効もあると考えられていたチアシード
アメリカや日本では最近になって注目されたチアシードですが、中央メキシコでは、紀元前1000年前くらいから主要農産物の一つでした。栽培は16世紀くらいまで続いていたそうですが、スペインが占領した後は、アステカの宗教と関連があるとして栽培が禁止されてしまっていたそうです。言い伝えでは、「大さじ1程度のチアチードを食べれば、1日生きながらえることができる」とも言われていたチアシード。戦士たちは、チアシードをスタミナ源として摂っていたようです。アステカでは、薬用効果なども期待されて使われていたとされています。
チアシードの3つの魅力……「簡単・低カロリー・高栄養」
まずチアシードは、調理する必要がなく、他の食材と混ぜるだけで簡単に使えるのも特徴の一つ。水分を含むとチアシードの周りがゼリー状になります。チアシード大さじ1(12g)に含まれる栄養は、58カロリー、たんぱく質2g、食物繊維4.1g、カルシウム76mg、マグネシウム40mg、亜鉛0.55g、鉄分0.93mg、オメガ3脂肪酸(ALA)2.14g。数字だけ並べると分かりにくいので、一つずつ解説しましょう。
注)他の食材と比較して、チア・シードがどれだけの栄養をを含んでいるかが分かりやすいように、チアシード1食分(大さじ1)と同じカロリーである58カロリー分の分量と比べてみました。
■食物繊維がすごい
国民健康・栄養調査によると食物繊維は、男女ともに摂取量が不足している栄養素です。チア・シードは食物繊維をなんと4.1g含みます。食物繊維が多いことで知られている、玄米には0.5g、大豆には2.2gしか含まれていません。食物繊維のキング級のごぼうには5.1gの食物繊維が含まれていますが、チア・シードのようになかなか手軽には食べられません。食物繊維は、満腹感の維持・ダイエットに役立ったり、便秘を解消したり、血糖値の変化を緩やかにしたり、コレステロールを改善したり、憩室炎の予防に役に立つなど、様々な役割があります。
■オメガ3脂肪酸の量がすごい
オメガ3脂肪酸は、心臓の健康だけなく、心や頭の健康にも大切だと言われている栄養素です。チアシードはオメガ3脂肪酸(ALA)を2.14g含みます。オメガ3脂肪酸が多いことで知られているクルミを同じカロリー分食べても、0.8mgしか摂れません。オメガ3脂肪酸のタイプが同一ではありませんが、動物性の中でトップ級のさばでも同カロリーだと含有量は0.4~1gです。チア・シードの含有量はダントツです。
■カルシウムがすごい
よく知られている通り、カルシウムの摂取量は男女ともに大きく推奨量を下回っています。カルシウムが不足すると、骨粗鬆症などにつながるほか、認知障害や高血圧などを引き起こす可能性があります。チア・シードにはカルシウムが76mg含まれています。カルシウムが多いことで知られている牛乳には96mg、チーズには110mg含まれます。トップ級の乳製品と比較すると含有量は少々劣りますが、植物性の食品の中ではチア・シードがトップ級です。植物性の中で、カルシウムが多いことが知られているブロッコリーには67mg含まれています。チア・シードはカルシウムの量でも優等生。
■鉄分がすごい
国民健康・栄養調査によると、男女ともに鉄分が平均的に不足していますが、女性では特に大きく推奨量を下回っています。鉄分が不足すると、免疫が低下したり、疲れやすくなったりします。チア・シードには鉄分が0.93mg含まれます。鉄分が多いことで知られている、牛レバー58カロリー分には1.8mg、ごまには1mgの鉄分が含まれます。比較してみるとチア・シードの鉄分含有量が優れていることが分かります。ほうれん草は58カロリーあたり、鉄分を5.8mg含みますが、かなりの量(290g)を食べる必要があります。日々、ほうれん草を大量食べる訳にもいきませんし、やはりチア・シードは鉄分でも優等生。
■亜鉛もすごい
亜鉛の平均摂取量もまた男女ともに推奨量を下回っています。亜鉛が不足すると、免疫機能の低下、精神障害、味覚障害を引き起こす可能性があります。チアシードには亜鉛が0.55g含まれています。亜鉛が豊富なことで知られている、アーモンドには0.4g、ごまには0.6g、卵には0.6g。チア・シードも豊富な亜鉛が含まれると言えるでしょう。
■マグネシウムもすごい
マグネシウムの平均摂取量も男女共に推奨量を下回っています。マグネシウムは骨の健康だけでなく、精神・神経の働きにも大切です。チア・シードに含まれるマグネシウムは40mg。マグネシウムが多いことで知られる大豆には35mg、アーモンドには30mg、ごまには34mgのマグネシウムが含まれます。ここでもチアシードは優等生。ごまも度々登場していますが、チアシードとごまの違いは、ごまはすらないと殻が邪魔をして栄養素を十分に活用できないと考えられていること。また酸化の心配もでてきます。一方、チア・シードはそのままでも、殻の性質の違いにより、体内できちんと栄養素を使うことができると言われいます。
美味しく効果的なチアシードの食べ方
メキシコやセントラルアメリカでは「Chia Fresca (チア・フレスカ)」という飲み物が親しまれているようです。チアシードを水と混ぜ、ライムやレモンを入れて砂糖を加えたものに、氷を入れて冷やして飲みます。水分と混ぜると食感の良いとろみがつきます。シリアルに混ぜたり、ヨーグルトに混ぜたり、すってマフィンやパンなどに入れて焼いたりなど、チアシードを楽しむ方法はたくさんあります。チアシードの食べ方レシピ1:簡単ぷるぷるゼリー風
チアシードの食べ方1
【材料】2人分
チアシード大さじ4
コーヒー牛乳 330ml (豆乳、アーモンドミルク等なんでもOK)
オプションで甘味料少々 はちみつ、砂糖など
オプションで果物
【作り方】
1)チアシードを牛乳と混ぜる。よく混ぜないとチアシードがくっつくので注意。数時間冷蔵庫に寝かせればできあがり!
*)上部右の写真は、チアシードとチョコレート豆乳を混ぜたもの。
チアシードの食べ方レシピ2:簡単チアシードヨーグルト
【材料】2人分チアシード 大さじ2
ヨーグルト 2人分
オプションで果物
【作り方】
材料をよく混ぜる。数時間寝かせてできあがり。
チアシードの食べ方レシピ3:簡単朝食
チアシードの食べ方3
【材料】2人分
オーツ麦(別名オーツ麦フレーク、Rolled Oats、オートミール用オーツ麦)250ml(茶碗1杯程度)
牛乳(豆乳、ナッツミルクなどお好みで)250ml
ヨーグルト 125ml程度
チアシード 大さじ2
はちみつ 大さじ2 (お好みの量)
オプションで果物をトッピング
【作り方】
1)材料を全て混ぜる。オーツ麦は既に蒸してあるので、そのまま混ぜて大丈夫です。多く入れすぎると少し水っぽくなりますが、フルーツも前日の夜に混ぜてOKです。冷蔵庫で一晩寝かせてできあがり。子供も大人も楽しめる味です。
*国立健康・栄養研究所のサイトによると、ゴマと和からしにアレルギーがある人は注意が必要とのことです。
参考資料:
- 文部科学省食品成分データベース: http://fooddb.mext.go.jp/index.pl
- 国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報: https://hfnet.nibiohn.go.jp
- チアの歴史:http://www.drweil.com
- (USDA) - Nutrient Database for Standard Reference:http://ndb.nal.usda.gov
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