ミュージカル/注目のミュージカルレビュー・開幕レポート

2014年3~4月の注目!ミュージカル

少しずつ春めいてきたこの頃。3~4月に開幕する舞台から、今回は『三銃士』『サ・ビ・タ』『いただきます!』『AMTガラ・コンサート』『ゲゲゲの鬼太郎』『キャッツ』『劇団四季ソング&ダンス 60 感謝の花束』[Music Museum』をご紹介。開幕後は順次観劇レポートも追記更新していきますので、お楽しみに!

松島 まり乃

執筆者:松島 まり乃

ミュージカルガイド

バラエティ豊かな作品が咲き揃う、春のミュージカル界

少しずつ春の足音が聞こえて来ました。話題沸騰の大作から春休みの親子観劇にぴったりの作品まで、この春は様々な客層に合う舞台が次々に開幕します。特に見逃せない舞台を厳選し、ご紹介します!

3月開幕作品

『三銃士』3月2~15日←観劇ミニ・レポート追記!
『サ・ビ・タ』3月20日~4月6日←観劇ミニ・レポート追記!
『いただきます!』3月20~30日
『AMTガラ・コンサート』3月25日←観劇ミニ・レポート追記!
『ゲゲゲの鬼太郎』3月26~30日←観劇ミニ・レポート追記!

4月開幕作品
『キャッツ』4月20日開幕
『劇団四季ソング&ダンス 60 感謝の花束』4月24日開幕
『Music Museum』4月26~28日←観劇ミニ・レポート追記!

AllAboutミュージカルにて特集した公演
『ラブ・ネバー・ダイ』3月12日~4月27日=日生劇場 Star Talkにて、出演・市村正親さんのインタビューと観劇レポートを掲載しました!
『ちぬの誓い』3月21~31日=東京芸術劇場 Star Talkにて、出演・今拓哉さんのインタビューと観劇レポートを掲載しました!
『魔法をすてたマジョリン』3月22日~4月13日=自由劇場 子連れで(も)観たいミュージカル にて、出演候補・若奈まりえさん、長野千紘さんのインタビューと観劇レポートを掲載しました!
『イン・ザ・ハイツ』4月4~20日=Bunkamuraシアターコクーン Creatorsにて、演出:TETSUHARUさんのインタビューと観劇レポートを掲載しました!
『アダムス・ファミリー』4月7~20日=パルコ劇場 Star Talkにて、出演・橋本さとしさんのインタビューを掲載しました!
『ラブ・チェイス!!』4月9~24日=シアタークリエ 気になる新星にて、出演・小野田龍之介さんのインタビューと観劇レポートを掲載しました!
『レディ・ベス』4月11日~5月24日=帝国劇場 Star Talkにて、出演・花總まりさんのインタビューを掲載しました!

Pick of the Month 『サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~』

(2014年3月20日~4月6日=青山円形劇場)

『サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~』

『サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~』

【見どころ】
95年に韓国ソウルの演劇街、大学路(テハンノ)で生まれ、場所を変えながら上演され続けている人気ミュージカル。日本では08年に初演、今回が4演目となります。若くして両親を亡くし、常に妹、弟たちの幸せを思って自分を犠牲にしてきた長男ドンウクと、そんな兄を重荷に感じ、疎遠になっていた弟ドンヒョンが久しぶりに再会し、そこに新婚夫婦の家と間違えてイベントガールのユ・ミリが闖入したことがきっかけで、互いの本心に気づいてゆく。兄弟の心の中で降り続けていた雨が少しずつ晴れてゆく様が、笑いと涙を交えて描かれます。等身大の口語の台詞とは対照的に詩的この上ない歌詞は、韓国ミュージカルならでは。兄役には『レ・ミゼラブル』のアクの強いテナルディエ役が印象深い駒田一さん。弟役は佐々木喜英さんと矢崎広さんがダブルキャストで演じます。大学路では若いカップルの“定番”ミュージカル。気取らないデートにぴったりの、心温まる作品です。

『サ・ビ・タ』出演の(左から)八坂沙織さん、駒田一さん、矢崎広さん(C) Marino Matsushima

『サ・ビ・タ』出演の(左から)八坂沙織さん、駒田一さん、矢崎広さん(C) Marino Matsushima

【ホワイトデー稽古場イベント・レポート】
3月14日、青山のこどもの城にて「ホワイトデー稽古場イベント」が行われました。稽古場には本番と同じ大きさのセットが組まれ、その周りを2列ほどぐるりと椅子席が取り囲む形。実際の劇場はもっと席数が多いとはいえ、客席から舞台までが他に類をみない近さであることが分かります。(出演者の駒田一さんは「汗も唾も飛んできますよ」と皆を笑わせていました)。写真撮影、質疑応答に続いては、弟ドンヒョンとユ・ミリが、兄ドンウクにサプライズで誕生日パーティーを開くシーンの披露。“観客参加型”ミュージカルとあって、ここでは「誕生日を祝いたい人!」の呼びかけに挙手した観客数名が舞台に招かれます。曲に併せて体を揺らしたり、バースデーソングを歌ったり。この盛り上がりが、孤独だったドンウクの喜びを際立たせるため、手抜きはできません。登場人物と観客の心がぎゅっと一つになったところで、「また劇場でお会いしましょう」とお開きに。

『サ・ビ・タ』稽古披露より。(C) Marino Matsushima

『サ・ビ・タ』稽古披露より。(C) Marino Matsushima

質疑応答では、演出の中島敦彦さんが「それぞれに秘密を抱えたまま7年ぶりに遭い、口を開けばケンカをしている兄弟の心が、家を間違えて訪れた女の子によって少しずつ溶け、ハッピーエンドに向かってゆく。そこにお客様も参加する、というシンプルさが本作の身上。上演を重ね、キャストが変わる度に発見があります」と語り、駒田一さんも「今回は弟とユ・ミリがダブルキャストで、弟役の個性によって僕もお父さんぽい兄だったりお母さんぽい兄とカラーを分けて演じているので、4回目ですがまるで5回目の上演のように感じています」と話していました。フレンドリーであたたかな舞台、開幕はもうすぐです!

『サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~』写真提供:東宝演劇宣伝部

『サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~』写真提供:東宝演劇部

【観劇ミニ・レポート】
この日は弟役が佐々木喜英さん、ユ・ミリ役が戸松遥さん。登場人物はたった3人ですが、登場してあっという間に観客の心を掴む、アドリブ含め絶妙の台詞術の駒田さん、生硬な中にもふとした瞬間に優しさを滲ませる佐々木さん、弾けた演技を惜しげもなく見せる芸達者な戸松さんに引き寄せられ、休憩なしの2時間があっという間に過ぎてゆきます。前回公演から登場したという、フラワープリントの衣裳を着て「黒衣」の仕事をする「観葉植物の精たち」も、セットを移動したり観客を舞台に上げるなどの仕事を滑らかに行いつつ、音楽が流れると小さくリズムに乗るなど、ほどよく舞台を盛り上げています。観客参加がお約束の本作、この日は積極的なオーディエンスが多く、ユ・ミリとドンウクがドンヒョンの誕生パーティーの参加者を募る前から「はーい」と手を挙げる人、多数。運よく選ばれ、壇上に上がった4人は「ミュージカルだから、大声で歌いましょうね」というミリの求めに応じ、賑やかにバースデー・ソングを歌ってドンヒョンを喜ばせました。また、終演後にオーディエンスから募ったメッセージをもとに行うスペシャルイベント、この日は観劇していた女の子の翌日の卒業を祝う、同級生からのサプライズ・メッセージ。「友達でいてくれてありがとう。これからもよろしくね」というメッセージを佐々木さんが読み上げ、壇上に上げられた女の子は涙、涙。駒田さんの音頭で場内全員が「おめでとう~」と祝福し、あたたかな空気の中、お開きとなりました。東京という大都会で、2時間ちょっと前までは見知らぬ者同士だった人々が、まるで家族のような親しみを抱きながら家路に着く。そんなことが可能になる、魔法のような舞台です。

(以下、公演初日が早い順にご紹介します)

三銃士

(3月2~15日=東京国際フォーラムホールC)

【見どころ】
『三銃士』写真提供:る・ひまわり

『三銃士』写真提供:る・ひまわり

1月の『ジャック・ザ・リッパー』に続き、韓国から大作ミュージカル『三銃士』が来日!『ジャック~』と同じく、チェコ製のミュージカルを韓国で新演出したもので、デュマの長編小説『ダルタニャン物語』から第一部と第三部の設定を借り、ダイナミックな勧善懲悪物語であると同時に、ロマンティックな恋愛物語となっています。ダルタニャンは快活な若者、三銃士のリーダー格アトスは過去の恋をひきずっており、ポルトスは豪快な元海賊、アラミスは恋愛体質の元オペラ歌手と分かりやすくキャラクター設定がなされているのも特徴。ダルタニャンはフットワークが軽く、ポルトスは二刀流など、立ち回りシーンの殺陣もキャラクターごとに異なります。大作ミュージカルには珍しく、出演者たちのお茶目さいっぱいの即興台詞も随所に飛び出す、自由度の高い舞台。これらは字幕スーパーには現れないので、韓国語を勉強中の方はいっそう楽しめることでしょう。

【観劇ミニ・レポート】
『三銃士』写真提供:る・ひまわり

『三銃士』写真提供:る・ひまわり

まずは冒頭からの30分ほどで、歌唱や場面転換を含めつつも手際よく大勢の人物を登場させ、それぞれの立ち位置を分かりやすく紹介する演出が光ります(演出:ワン・ヨンボムさん)。アクロバットを多用したアンサンブル・ダンスは物語に躍動感を与え、宮廷シーンの絢爛豪華なセットとは対照的に、主人公たちが「一人は皆のために、皆は一人のために」と本作のテーマ曲を歌うシーンではシンプルかつ美しい星空のみを配するなど、めりはりの効いたヴィジュアルも印象的です。キャストもそれぞれ持ち味をキャラクターに反映させ、好演。中でも、1月に『ジャック・ザ・リッパー』の悪魔的なタイトルロールで強烈なヘヴィー・メタル・ヴォイスを披露したチョ・スンチャンさん(キム・ボムレさんとのWキャスト)は、今回ポルトスを豪快に楽しく演じ、観客をスムーズに作品世界に引き込みます。終盤は国王を巻き込んでの大立ち回りが展開しますが、最終的に巨悪を仕留める人物が「あの人」という意外な展開は、「情念」や「復讐」というテーマの表現に定評ある韓国エンターテインメントらしさと言うべきでしょうか。「ダイナミズム」「親しみやすさ」という「陽」の要素ばかりでなく「陰」の要素も併せ持った、充実の舞台です。

いただきます!

(2014年3月20日~30日=新宿FACE)

『いただきます!』

『いただきます!』

【見どころ】
タイトルの前に銘打たれているのが“農業系ROCKミュージカル”。「農業系」とはこれいかに?と資料を読むと、「新宿歌舞伎町のホスト達が農業に目覚める物語」なのだそうです。映像でも活躍する脚本家・金房実加さんの書き下ろし台本を、女優でもある林希さんが演出。前田公輝さん、『滝廉太郎の友人と知人、とその他の諸々』での好演が記憶に新しい鯨井康介さんらフレッシュなキャストに加え、知念里奈さんや入絵加奈子さんという頼もしい実力派女優が参加。イケメンホスト×農業と言う、一見荒唐無稽な取り合わせも、ミュージカルの世界なら大いにアリかも! 何より、歌舞伎町のど真ん中の会場での上演ということで、不思議なリアリティが生まれそうです。

*次ページで『AMTガラ・コンサート』『ゲゲゲの鬼太郎』『劇団四季ソング&ダンス 60 感謝の花束』『キャッツ』『Music Museum』をご紹介します!

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