阪神淡路大震災による住宅被害の様子

阪神淡路大震災で倒壊した家屋

今年(2014年)1月17日で、6400余名の尊い命が奪われた阪神淡路大震災の発生から19年が経過しました。震災の年(1995年)に生まれた子供たちは、来年、成人式を迎える年齢になるわけです。

また、3月11日には東日本大震災から3年を迎えます。消防庁の調査では2013年9月現在、2674名が行方不明のままで、復興庁によると、仮設住宅や病院生活者を含めて、いまだ全国で27万4000余名(13年12月時点)の人々が避難生活を余儀なくされています。生活再建への道のりは前途多難との印象をぬぐい去れません(下表参照)。

東日本大震災と阪神淡路大震災の被害の比較

 

東京圏では首都直下地震が今後30年以内に70%程度の確率で発生する可能性があり、西日本の太平洋沿岸地域では南海トラフ巨大地震の切迫性が高まっています。東日本大震災の復興に加え、こうした近未来への防災対策も喫緊の課題として対応が急がれます。中枢機能が集中する大都市圏で巨大地震が発生すれば、日本の政治・経済・産業に大打撃を与えるのは想像に難しくありません。

都心には多くの地震リスクが内在しており、高層マンションやビルの増加、地下空間の利用拡大といった都市構造の変化が災害リスクを高めているとの指摘がなされています。高層建築物では長周期地震動による被害やエレベーターでの閉じ込めが多発し、たとえ建物の耐震性が確保されていても電気や上下水道などのライフラインが寸断され、そのうえ、エレベーターが一時的に機能停止してしまえば、高層階では孤立してしまう危険性(マンション難民化)があります。二次災害への恐怖が潜んでいます。

電気の復旧によりストーブが勝手に作動し、火災を引き起こすのが通電火災 

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避難時にブレーカーを落とすことで「通電火災」は防げる

95年の阪神淡路大震災では、およそ8割の人が建物の倒壊や家具の転倒により圧死しましたが、残り2割のうちの約1割は焼死でした。原因が特定された建物火災の6割が「通電火災」によるものと判明しており、首都直下地震や南海トラフ巨大地震でも同様の危険が心配されています。

通電火災とは、たとえば停電で消えた電気ストーブが停電の復旧(通電の再開)により自動的に作動し始め、放熱の開始によりストーブなどが火元となって留守宅が燃え出す火災のことです。大地震が発生すれば、大多数の人は着の身着のまま避難しますので、ストーブの電源を切る時間も自宅の電気ブレーカーを落とす余裕もありません。

そこで、政府は感震ブレーカーの普及促進に力を入れ始めています。感震ブレーカーとは、一定の揺れを感知すると自動で通電を遮断する電気ブレーカーです。中央防災会議によると、感震ブレーカーなどを設置し、電気出火の防止が実現できると、首都直下地震では焼失棟数を約43万棟から約23万9000棟まで半数近く減らせると分析しています。95兆円と想定される経済被害も約3割減が期待できるとしています。

地震大国・日本で生活する以上、地震から逃れることはできません。「自助」「共助」「公助」の中で、自助努力が防災・減災の原点となります。(1)逃げる際には電気ブレーカーを遮断する習慣を、避難訓練を繰り返すことによって体に覚えさせる、(2)地震を感知すると自動的にブレーカーのスイッチが切れる「感震ブレーカー」を取り付ける ――。こうした1つ1つの積み重ねが被害の低減に役立つのです。
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