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勅使川原三郎 U18プロジェクト インタビュー(4ページ目)

東京芸術劇場主催・勅使川原三郎監修による『U18ダンスワークショップ・プロジェクト』。2012年の第一期を経て、2013年秋より第二期をスタート。2014年1月には東京芸術劇場でデモンストレーション公演を開催し、半年間に渡る稽古の成果を披露しています。勅使川原氏に、『U18』の狙い、展開についてお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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ワークショップ開始時と比べて、『U18』の成長はいかがですか?

勅使川原>全然違います。僕も驚いてるくらい、凄く成長しましたね。みんなもっと固い動きをしていたし、最初は戸惑っていたと思うし、ヘタだったことは確かです(笑)。本当に見違えています。あと、よりその人自身が出てきているような感じがしますね。

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第二期『U18ワークショップ』のクラス。指導にあたる勅使川原氏


第二期『U18』は2013年の8月から週に1度、一回のクラスにつき二時間の稽古を約半年間続けてきました。ときには稽古時間が長引いて、5時間に及んだこともありますが、全く集中力が途切れない。それは張り詰めたものではなくて、緩めるという集中です。つまり、持続するという学び方。“何分までに早く結論を出せ、答えは何だーー”というやり方ではなく、持続するということが方法であり、持続する中で自分に感じられることを見つけていく。

すぐに答えが出たからといって、僕はよしとしません。むしろ“そうではないはずだ”“そうではないかもしれない”と疑うことが大事だよ、と言っています。そうしたら、“もっと良くなれるのではないか”と考えることになる。緊張している集中ではなく、自分で考えていることに対する集中なんです。散漫してる思考ではなく、自分の中で“ああだこうだ、こっちだ、あっちだ”と考えてるから、周りに左右されることはない。

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第二期『U18ワークショップ』のクラス。指導にあたる勅使川原氏


KARASのメンバーは、新人の時から割合すぐ舞台に立ちます。でも彼らは、あがったり、緊張して間違えてしまうということはほとんどありません。何故なら、その前に稽古を十分するから。稽古を重ねた上で、自分ができることをやればいいんだという発想でやる。何か役柄があって自分を当てはめたり、実力より上の何かを演じるということではなく、自分が出来ることをやる。また自分が出来るということで固まっているのではなく、出来るということを求め続けていけば、必ずそれを表現することになる。

例えば公演があったら、その日までギリギリ努力をしていけば、いつの間にかレベルが上がっている。そういうやり方をしているので、リキまなくても自然にできてしまうのは当然のこと。彼らも舞台でもやるのは当然だと感じる。だから緊張はしないんです。

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第二期『U18ワークショップ』のクラス。指導にあたる勅使川原氏



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