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パズドラの「スマホ→3DS→スマホ」作戦(3ページ目)

スマートフォンで大ヒット中のパズル&ドラゴンズがニンテンドー3DS用タイトル「パズドラZ」として発売。初週50万本以上を販売、出荷は既に100万本を突破と、大変なヒットとなっています。パズドラZが3DSで売れたということは、スマートフォンのパズル&ドラゴンズにも、大きな影響を与えるかもしれません。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

パズドラはポケモンになれるのか

スマートフォンで遊ぶユーザーの図

大人も遊んでるけど、絶えず子どもから新しいユーザーを拾っている、そういうコンテンツは強いのです(イラスト 橋本モチチ)

パズドラは3DSに進出して低年齢層向けのパッケージタイトルをヒットさせたことで、ポケモンのように長く続くコンテンツになるための布石を打てたと言っていいかもしれません。しかし、大事なのはここからです。

パズドラは日本におけるモバイル端末向けゲームアプリでは最も成功しているコンテンツです、そしてその知名度を使ってコンシューマーゲームでもパズドラZが初週50万本以上という大ヒットを見事記録しました、ここまでは厳然たる事実です。「モンスターハンター4」に、「ポケットモンスター X・Y」といったキラータイトルが圧倒的に売れている環境の中でのハーフミリオンですから、これは本当にすごいことです。パズドラという名前の浸透度が伺えますよね。

これによって、おそらくは自分用のスマートフォンを持てる世代以上に向けたコンテンツであったパズドラが、低年齢層にも強くアピール出来るように成長しようとしています。ただしです、ポケモンのように長く続くコンテンツでありつづけるためには、ヒットを続ける必要があります。

ヒットが長く続く為に必要なものはなにか。中身でしょう。最初は、スマートフォンでのパズドラの認知でたくさんの人が購入したとしても、その後、続けて人気がでるかどうかは、やはりゲームの中身が鍵を握ります。今回買った50万人のユーザーのゲーム体験が、思い出に残るような強烈なものだったか、続編が出て欲しいとウズウズするようなものだったか、ヒットを続けていくためにはそういうことがとても大事です。

スマートフォンのゲームアプリとコンシューマーゲームでは求められるコンテンツの質というものも違いますから、スマートフォンでヒットしているから間違いない、というわけでもありません。

ガンホーは、パズドラをスマートフォンで大ヒットさせ、その知名度を生かして、3DSのタイトルでも成功を収めました。そしてそのことは、今までアクセスしにくかった低年齢層にもパズドラをアピールすることに成功した、ということでもあります。3DSで成功したことは、ユーザーを若返りさせながら、長く長く愛されるコンテンツに成長させる大きなチャンスを手に入れたということを意味します。

果たしてそのチャンスを活かすことができるのか。ガンホーのゲームメーカーとしての地力が確かめられることになるでしょう。

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