紫禁城の構造、外朝と内廷
中国最大の木造建築物、太和殿(金鑾殿)。映画『ラストエンペラー』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』『北京の55日』などの舞台にもなった
天安門広場を挟んで天安門と逆側に建つ前門(正陽門)。もとは元の時代の門で、紫禁城に入る皇帝とその家族専用の門だった ©牧哲雄
その奥が内廷で、歴代のべ24の皇帝が暮らした居住スペース。皇帝や皇后の居室から寝室、庭園まで、数多くの建物や部屋が集中している。有名なのは玉座が置かれた乾清宮や、結婚式や宗教行事が行われた坤寧宮、故宮博物院の正門となる神武門など。それぞれの部屋に歴代皇帝のドラマが詰まっているので、行く前に世界史を少し勉強しておくことをオススメする。
故宮博物院
1949年、毛沢東が建国宣言を行った天安門。毛沢東の巨大な肖像画が天安門広場を見下ろしている
皇帝が日常の政務を行ったり、寝室として機能していた乾清宮
現在紫禁城は「故宮博物院」という博物館として一般に公開されている。当時の姿をそのまま公開している部屋がある一方で、文物陳列室として貴重品の数々が展示されている部屋もある。文物陳列室には陶磁器館、青銅器館、工芸館、絵画館、時計館などがあるが、特にオススメは珍宝館だ。ここには清が中国全土から集めた貴重品や、北京に集められた名工たちの手による芸術品が収められている。
紫禁城を見下ろす景山公園。風水に基づいて紫禁城の真北に造られており、気の流れを整えたといわれる
また、太平洋戦争当時、戦火を避けて多くの宝が台湾に送られており、それが保存されているのが台湾の国立故宮博物院だ。台湾の博物院には60~70万点もの収蔵品があるといわれており、世界四大博物館のひとつに数えられている。