起業のトレンドは時代とともに変化していきます。今年は起業家向けの補助金で国が起業増加の後押しをしたこともあり、起業ブームともいえる状況になっています。その中でも増えているのが「自己表現起業」。ガイドへの最近の相談事例としても増えています。どのようなものか見ていきましょう。


時代とともに変化してきた起業のトレンド

自分らしく起業して発信する自己表現起業

自分らしく起業して発信する自己表現起業

5~6年前、起業といえば、一攫千金を狙って上場を目指し、「六本木ヒルズに住みたい!」という若者の夢というイメージ。実際に、ガイドへの相談も20代のIT系の若者が中心でした。地に足が着いたというよりも憧れが先行したビジネスも多くありました。

その後、リーマンショックが起きると状況が一変。会社から不採算事業として部門をカットすると通告されて部門の仲間と一緒に起業する、リストラされたけど転職先も見つからず起業を選ぶなど、ネガティブな状況からの起業が増えました。年齢層が上がった分、経験豊富で地に足の着いた実業が増えたといえます。

そしてここ2年ほど多くなったのが自己表現起業です。


自己表現起業とは

変化し続ける消費者の意識、動向をその年の特徴としてランキング形式で発表する「All About Award 2013 国民の決断」。今年は第5位として「自己表現起業」が選ばれました。ガイドへの相談も、最近は自己表現起業に関するものが増えています。

自己表現起業とは、自分の才能とキャラクターを活かした自分らしい小規模な起業。つまり、最初から拡大も上場も目指していないのです。「起業して自分らしく充実した人生を送りたい!」それがゴールです。増加した背景には起業環境の変化が背景になっているように思います。

参考情報:All About Award 2013「国民の決断」


自己表現起業の背景

背景としての起業環境の大きな変化は次のようなものです。

■転職と起業が同列の選択肢になった
終身雇用で定年まで1つの会社で滅私奉公する文化から、転職が当たり前の世の中へ。そして今、転職と起業が同列で選択肢となるほどになっています。起業は一部の人の特別なものではなく、誰でも起業家になる可能性があるのです。

■情報発信が誰でも手軽にできるようになった

一昔前なら世間に自分をPRするには、テレビや雑誌に出る、商業出版するなど高いハードルが立ちはだかっていました。今では、ブログやFacebookで誰でも簡単に情報発信し、執筆した電子書籍を大手ネット書店で販売することも可能です。

■コストを掛けずに一人起業が可能になった
自己資金を貯めたうえで創業融資を受け、リスクを背負いつつ始める。それが起業の中心でした。今では、お金のかからないレンタルオフィスが発達し、ノマドワークス、クラウドワークスなど場所を選ばない働き方も生まれました。また、Webサービスの発展、アウトシーシング環境の充実により、従業員を雇用せずに一人だけで起業することが可能となっています。

■マインドの変化
そして一番大きいのは、あくせくと金儲けに走るよりも、自分らしく充実した人生を送ることに魅力を感じる人々が増加したことです。


今後の起業トレンドは?

今後もこのトレンドは増加するものと予想できます。企業側も雇用のリスクを負うよりも外注を活用し、労働者側も会社にしがみつくらいなら自分でやった方が早いと考える人が増えるでしょう。政府も開業率を5%から欧米並みの10%へ倍増させることを目標としており、起業を後押しする政策が継続していくことと思われます。起業文化がさらに浸透し、日本に活気が生まれることに期待したいですね。


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