テクノポップ/アーティストインタヴュー

(鈴木慶一+KERA)X新生ナゴム=No Lie-Sense(2ページ目)

ナゴムレコード30周年! 新生ナゴムレコードからの第1弾アーティストとして、No Lie-Senseが『First Suicide Note』を11月6日にリリース。No Lie-Senseは、秩父山バンド以来となる鈴木慶一さんとKERAさんのユニット。ユニット結成、レーベル再始動、製作中の話、そして昔話までお二人に語り尽くして頂きました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ニセのハンドル

ガイド:
No Lie-Senseという名前が決まったところで、ジャケットのイメージもスンナリ決まった感じですか?ハンドルが左右両方にあるように見えるのですが。

鈴木:
信藤(三雄)さんがやっていただけることが途中で決まって。

KERA:
免許を持たぬ二人で車を運転していて、ハンドルが二個あるのはどうかっていうのはずっと話してたんですよ。

ガイド:
ハンドルが一つだけだと、ハンドルを持ってる人のほうが主導権を握っている、みたいになっちゃいますもんね。

KERA:
そうそうそう。そもそも運転できないじゃないかっていう(笑)。

鈴木:
俺のほうがニセのハンドルだから、空中に浮いてるのを手で押さえている。打ち合わせした時に信藤さんが車を使ったジャケットをいっぱい持ってきたんだけど、撮影日に雨が降っちゃったんで、結果的にピーガブになる(笑)。

ガイド:
確かに色使いやアングルにピーター・ガブリエルの1stアルバムを彷彿とさせるものが(笑)。

KERA:
寄せちゃったんでしょうね、完全に信藤さんがある時(笑)。僕らがピーター・ガブリエルみたいにしようよって言ったわけじゃなくて。意味ありげすぎるんで、真ん中へんでいきたいですねって言ってたんだけど。 

新生ナゴムの構想

ガイド:
新生ナゴムの構想はいつ頃からあったんですか?

KERA:
レコーディング半ばに、ただ単発で出すんじゃなくてレーベルを作ろうってことになった。それで色々考えたら、いっそのことナゴムでいいんじゃないかなって。その代わりって言っちゃなんですが、二人でやりたいと。一人でやるのはもう嫌だ(笑)。

ガイド:
違うレーベル名は考えなかったんですか?

KERA:
それも考えたんですよ。最初はそれでずっと考えてたし。

鈴木:
最初はそっちだよね。ある日突然何か決心したのか、「これ、ナゴムにしましょうよ」って。私は「え!そんな名前、ここで使っちゃっていいの?」と思いましたけどね。

KERA:
ナゴムレコードからこの作品が出るのってまったく違和感がないなと思ったのと、あとこれまで何回かナゴム再生みたいなことをうながされたりとか、実際ちょっとやりかけたこともあったんだけど、かつてのナゴムと同じことをまた自分で繰り返すというか、リセットせずに続きをやるみたいなイメージがあって、それは重荷だったんですよ。当時は音楽的な興味も違うところに行ってたんです。でも、今ナゴムをかつてと切り離して考えられるなと思えたんですね。活動形態から何から何まで。で、とは言え大槻(ケンヂ)をゲストに呼ぼうっていうのはナゴムだからという安易な発想ですけど(笑)。

鈴木:
オーケンをゲストに呼ぶの、スケジュールが大変だったよね。20分でいいから来てくれ、とかね(笑)。

ガイド:
ゲストはあらかじめ決めていたんですか?

KERA:
録っていきながら、ここは女性の声が必要だね、みたいな。誰にやってもらうのかは後づけでね。

鈴木:
少なくとも、レコーディングのトータル25日中22日ぐらいまでは3人でやってたけどね。私とKERAと権藤(知彦)君と。最後の3日間で色々と来てもらって。

絶叫していたのは?

ガイド:
1曲目の「けっけらけ」は女性の絶叫で幕を開けます。あの悲鳴は誰なんですか?

KERA:

あれは緒川たまきですね。

鈴木:
悲鳴から始まるアルバムなんて、俺聴いたことないな(笑)。

ガイド:
何も知らずに聴いてビックリしました(笑)。

鈴木:
そのへんがね、演出なんだよ。ちょうど緒川さんがいたので、「ちょっと悲鳴やって」って。俺は何が起きるんだろうと思ったら、ド頭に。

KERA:
泣きながら笑っていく。
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