不動産売却・査定/不動産売却の流れ・基礎知識

不動産を売らずに貸すという選択(2ページ目)

不動産を所有しているオーナーさんの、不動産を売却したら良いのか?それとも人に貸して所有し続けることがベストなのか?という判断は非常に難しい問題です。どちらが得か?損しないのはどちらか?という観点で考えるなら、一時的に手に入る金額と、長期的に持ち続けることで得られる収益をシミュレーションして考える等、長期的な視野に立って検討する必要があるからです。

楯岡 悟朗

執筆者:楯岡 悟朗

土地活用・不動産査定ガイド


貸した方が良い物件

簡単にいうと、「売りづらい・売りにくい物件」「売ったら安く買いたたかれる物件」です。どんな物件が当てはまるかというと、例えば再建築不可の物件が挙げられます。現在の建築基準法では、売却の対象となる土地が公道に2m以上接していなければ、家を建ててはいけないというルールがあります(*例外規定はあります)。

そうした再建築が出来ない物件は、仮にどんなに豪邸が建っていたとしても、一般の市場価格からは大きく下がってしまいます。なぜなら不動産を購入する人にとって、家を建てられない土地に価値を見出すことは非常に難しいからです。つまり土地に価値はほとんどなく、極端な話、建物だけの価値となってしまうので、安くしか売却できないのです。

賃貸であれば問題なし!

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部屋を借りる人にとって重要なことは、住みやすいかどうかだけ

しかし、上記のような物件であっても、賃貸であれば問題ありません。なぜなら当面の住まいを探す人にとって、その土地が再建築できる・できないは全く関係ないからです。

売ったら安く買いたたかれてしまう物件であっても、人に貸すのであれば通常の物件と賃料に大きな差は出ません。そのような物件であれば、安い価格で売却してしまうより、長期的な保有を行った方が、収益面から考えると効果的な場合が多いです。

ただ、人に貸すに当たっては、ターゲットの層が求めるニーズに応じたそれなりのリフォームやリノベーションがどうしても必要です。その際の初期費用がいくらかかり、想定する家賃だと何年で回収できるかのシミュレーションが必須となります。そうしたアドバイスは不動産の活用に長けた不動産管理会社などに試算してもらうのが良いでしょう。
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