ギリシャ料理(3ページ目)

定番人気のギリシャ料理　

ギリシャの家庭料理の代表格はムサカやパスティッチョ（パスティツィオ）でしょう。ムサカは薄切りにしたジャガイモをオリーブオイルでソテーし、耐熱容器に並べます。その上にトマトソースで煮詰めた挽肉、ソテーしたナスと層状に繰り返し重ねていきます。最後にべシャメルソースを流し入れ、表面がきつね色になるまでオーブンで焼き上げます。ズッキーニを入れたり、ジャガイモなしのレシピもありますが、野菜とミートソース、ベシャメルソースが基本です。もともとはバルカン半島の国や東地中海沿岸諸国で広く食されてきた料理ですが、シフノス島出身の名シェフ、ツェレメンデスが現在のレシピでギリシャ料理として定着させました。

パスティッチョはムサカと似ているオーブン料理ですが、こちらは太目のパスタと挽肉を層状にしてベシャメルソースで焼き上げます。タヴェルナでも一般家庭でもとても頻繁に作られる人気メニューです。

スヴラキもギリシャにきたら一度は味わう料理でしょう。炭火で焼いた豚肉や鶏肉等の串焼きですが、魚の身などシーフードの串焼きもあります。スヴラジディコというスヴラキ専門店がファストフードのように街中にたくさんあります。店先で肉の塊を回転ロースターでぐるぐる回しながらあぶり、焼けた部分からそぎ落として食べるギロスも人気があります。ピタという平焼きパンに先述のジャジキ（ヨーグルトソース）やトマト、オニオンスライスと一緒に挟み、それはギロ・ピタと呼ばれます。クセになる美味しさですが、ファストフード感覚でさっと食べれるので、観光で時間に余裕のない時にもおすすめ。スヴラキやギロスはジュージーなお肉がとても美味しくて安価なので、地元の人々も日常的に食しています。

またギリシャは羊肉や山羊肉もよく食す国で、復活祭の行事で食べる子羊の丸焼き料理は有名です。羊肉は普段から、タヴェルナやレストランでよく食されますが、過去に日本で食べた羊肉とは全く異なり、臭みもなく柔らかくてとても美味しいです。
挽肉とご飯等をブドウの葉で包んで煮るドルマデス（一口サイズのかなり小さいものはドルマダキァとも呼ばれます）はメゼとしてもよく食べられますが、普通サイズのものをメインとしていただくこともあります。

トマトやピーマン、ナスなどの中身をくりぬき、中に挽肉とご飯等を詰めてオーブンで焼くイェミスタなども人気のあるギリシャ料理です。ギリシャは野菜が美味しい国なので、これらの料理は皆、野菜の味がしっかり生きていて味わい深いです。

まだまだ美味しいギリシャ料理はいろいろありますが、とりあえず定番中の定番をざっと紹介してみました。タヴェルナやスヴラジディコなどでは美味しいギリシャ料理が手頃な価格でいただけますので、旅の際はぜひ食事をしてみてください。