バレエ/大人バレエのテクニック解説

大人バレエのテクニック解説Vol.1 脚をゆっくり上げる

テクニック解説Vol.1として 「脚をゆっくり上げる」 を取り上げます。脚を上げる動きが上手に出来るためにはゆっくりなテンポで脚を上げることを繰り返す必要があります。その上げ方を理解すればイメージした高さに近づくことが出来ると思います。大変な動きですが、「継続は力なり」 です。

執筆者:石島 みどり

女性ダンサーにとって脚を高く上げられるかどうかは、そのダンサーの踊りの質を決める大事な要素となっています。頭より高く、ほぼ垂直に脚を上げる女性ダンサーの身体能力は、本当に目を見張るものがあります。垂直とまでは行かなくても、今よりもほんの少し高く上げられたらどんなにすばらしいでしょう。脚を上げるコツを織り込みながら脚上げについて解説してみます。

脚を上げる代表的な動きは3種類です。バットマン・ルルヴェ・ラン、バットマン・スートゥニュ、そしてバットマン・デヴェロッペ。どれも脚を高く上げるためのエクササイズです。地味な動きですが、脚をキープするのが難しい動き達です。

脚を上げる動きが上手に出来るためにはゆっくりなテンポで脚を上げることを繰り返す必要があります。

脚を上げる動きが上手に出来るためにはゆっくりなテンポで脚を上げることを繰り返す必要があります。



脚を上げる動き3種


1. バットマン・ルルヴェ・ラン
2. バットマン・スートゥニュ
3. バットマン・デヴェロッペ


1. バットマン・ルルヴェ・ラン

バットマン・ルルヴェ・ランは、ゆっくりと脚を上げる動きです。バットマン・タンデュで出した脚を伸ばしたままゆっくりと上に上げます。上でそのまま保ったら、ゆっくりと脚を下ろしてつま先を床につけ、バットマン・タンデュでポジションに戻します。

◎脚上げポイント
・脚の付け根を脚と分離させたように動かす→脚が自由に動くようになります。
・太ももをなるべく使わない→太くなるので要注意。足先を遠くに伸ばすように意識すると上手に上がります。
・下ろすときがミソ→脚を下ろす直前に息を吸いながらもう少し上げてから下ろすと脚の自由度が増します。



2. バットマン・スートゥニュ

バットマン・スートゥニュは、バットマン・フォンデュのような柔らかい動きを、切れ目なく、弱めることなく行います。5番ポジションから動脚をク=ドゥ=ピエからルティレの位置に上げ、各方向に上げていきながら、同時に軸脚はドゥミ・プリエにします。軸脚を伸ばすのと同時に、動脚を伸ばしたままで5番ポジションに戻します。

◎脚上げポイント
・動脚と軸脚がガクガクした動きにならないよう、お互いの調和を大切にしながら上げます。
・プリエをするので、動脚が沢山上がります。その高さにつられて上体が傾かないように気をつけます。



3. バットマン・デヴェロッペ

バットマン・デヴェロッペは、ルティレにあげた脚を伸ばす動きです。5番ポジションから動脚をク=ドゥ=ピエからルティレの位置に上げ、各方向に伸ばしていきます。注意する点は曲げた膝が伸ばしていくときに下がらないようにすることです。上げた脚はゆっくりと下ろし、バットマン・タンデュで5番ポジションに戻します。

◎脚上げポイント
・ルティレの位置を高くすると、デヴェロッペの 「発展していく」 感じが出ませんので、伸ばしきった脚よりも低くします。
・脚を下げる直前に1度上げるようにすると、脚を上げる能力が増します。

バットマン・デヴェロッペが一番なじみのある動かし方ではないでしょうか? 作品に出てくる脚の上げ方はほぼこのバットマン・デヴェロッペですから。

「白鳥の湖」 の白のアダージオ。王子とオデット姫が美しいデュエットを踊るときのあの脚! そう、あれがバットマン・デヴェロッペです。


どの脚上げも大変重要で、難しいものです。ですが、これが出来るようになると動きに優雅さが生まれます。男性と一緒に踊るデュエットで素敵な踊りが出来るようになりますよ。

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