ここでは、システムバスを選ぶ際に知っておきたいサイズやデザイン、空間を構成するパーツやアイテムの特徴や最近の傾向をまとめました。
[写真協力] パナソニックエコソリューションズ
浴槽 主な素材は人工大理石・FRP。ゆったりくつろげる形状のタイプも
一般的なシステムバスに多く設定されている浴槽(バスタブ)の素材は、人工大理石やFRP。メーカーによっては、ほうろうやステンレスを揃えた商品もみられます。人工大理石でも、いくつかの種類(ランク)を設定するケースもありますし、メーカー独自に開発した素材などを用意したシステムバスも。いずれもメーカーや商品によって、素材感や色合い、お手入れ方法などが異なります。また、標準仕様なのか、価格がアップするのかなどを確認することも大切でしょう。最近の浴槽の傾向は、形状が豊富になってきていること。ゆったりと身体を伸ばせたり、半身浴ができるように座れる部分を設けたり、広がりを実現するため曲線を取り入れたタイプも。居心地の良さやデザイン性、安全面を考慮した形状の浴槽が多くみられるようになりました。
その他、断熱効果を高めた浴槽も人気となっています。湯温が低下しにくいので、入浴時間がばらばらな家庭でも追焚機能を使うことが少なくなり経済的なのも魅力。また、浴槽のフタにも、断熱性能を高めたタイプが用意された商品もあります。
内装材 デザイン性が高まった壁材、お手入れしやすい床材
空間イメージを左右する壁材(壁パネル)は、カラーバリエーションが豊富になり、石目調や木目調、タイル調など、自然の風合いを感じる柄も多くみられるようになりました。透明感のあるタイプや表面の凸凹によって立体感を持たせたタイプなども。四面を同じ壁パネルでまとめるだけでなく、一面に異なるパネルを選びアクセントとするプラン提案などもみられ、わが家ならではの個性的な空間とすることも可能でしょう。また、床材は、独自の表面加工を施し、排水効率を高め乾きやすいタイプが多くみられ、冬場でも冷たくないものやクッション性のあるものなども。ホワイト、ベージュ、グレー、ブラックなどのベーシックな色合いが揃っています。
窓 開放感のある出窓や引き違い、テラス窓なども
戸建ての場合、窓プランによって、バスルームの快適性が大きく異なるもの。開放感を生み出すとともに、換気のためにも重要なパーツといえるでしょう。窓のプランは間取りや建物の構造などと大きく関わるので、浴室にどんな窓を取り入れたいかは、早めに検討することが大切です。システムバスのアイテムとしては、開放感のある出窓や引き違い、テラス窓を揃えたタイプもみられますし、ルーバー窓や外開き窓など換気に配慮されたタイプも。ブラインドや面格子などを設置することも可能なものもあり、敷地環境に適したタイプを選ぶことができるでしょう。
出入口扉 折れ戸や開き戸。開口部が大きく取れる3枚引き戸なども
出入口扉は、一般的な折れ戸タイプや開き戸(ドア)のほか、引き戸タイプなども揃い、開口部を広く取ることのできる3枚引き戸も注目されています。デザイン的にはすっきりとしたタイプが多くみられますが、隣接する洗面脱衣室とのつながりや空間に広がりを持たせるために、半透明だけでなく、透明強化ガラスを用いたタイプも揃っています。また、お手入れのしやすさも高まっており、カビや汚れが溜まりにくいように、換気口の位置や形状に工夫を施し掃除がしやすいように工夫したタイプも。パッキンそのものをなくしたり、カビの発生・浸透を抑えたパッキンを採用したものなどもあります。
水栓・シャワー 節水性や操作性、デザイン性がアップ
システムバスに設定されている水栓金具やシャワー水栓は、操作性はもちろん、節水機能を高めたタイプが揃っています。洗い場・バス兼用水栓であれば、シングルレバータイプのサーモスタット機能付きが一般的。デザイン的には、すっきりとしたシャープなタイプが多く、空間に馴染むようにカウンターと一体化したものやタッチタイプなどもみられます。その他、さまざまな水流を楽しむことができる多機能シャワーやオーバーヘッドシャワーなどが用意された商品もみられるようになりました。
鏡・収納・カウンター すっきりとしたデザイン、大きめなミラーも
鏡のデザインは、縦長や横長のタイプが多くみられます。大きめのタイプを取り入れることで空間に広がりを持たせることも可能でしょう。また、細かな収納スペースを工夫した商品も増えています。カウンターの下にシャンプーなどのボトルを収納できたり、壁に数段の棚を設けたり、デザイン性の高いメタル調の棚なども揃っています。カウンターは通常、洗面器を置く台として用いられますが、ベンチ機能を持たせたタイプなどもみられるようになりました。照明 空間に溶け込むようなデザイン、天井に埋め込まれたLEDも
照明器具も明るさの確保はもちろん、スペースの広がりを実現するため、スリムなタイプや天井埋め込みタイプなど空間に溶け込むようなデザインが増えてきています。壁面を均一に明るくするような演出効果の高い照明プランを取り入れることができる商品もみられます。また、省エネ効果の高いLEDを設定したタイプも増えてきており、天井や壁に埋め込んだデザインなどが用意されています。システムバスのプランは、商品ごとに設定された基本的なパーツやアイテムを選び、組み合わせることが基本。実際には、好みや予算に近い基本パターンから、変更や追加、削除等しながら、プランニングを進めることになるでしょう。在来工法と異なり、システムバスはショールームで事前にその空間を体感できるのが大きなメリット。設計担当者はもちろん、ショールームのアドバイザーなどの意見も参考に、実際の商品を確認した上で、検討することが満足いくバスルームづくりのポイントです。
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