海外旅行保険/海外旅行保険の基礎を学ぼう

海外旅行保険は必要?入るべきか、入らないとどうなる?

海外旅行保険が必要か否かを考えて、加入しない人もいます。しかし海外旅行中にトラブルや病気などがあった際、日本国内とは医療事情なども異なるため大きな助けになるのは事実です。海外旅行保険の入るべき理由や、入らないとどうなるのかについて検証しましょう。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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海外でトラブルに遭う人は、年間約2万人以上!

海外で大小問わず何らかの事故や災害、病気犯罪などのトラブルがあった人は、年間で2万2,349人います(外務省「2018年海外邦人援護統計 」より)。これは過去10年で最も多い人数です。
海外旅行保険は必要、入るべきか

海外旅行保険は必要?

そんな時に役立つのが保険ですが、少しでも安くお得に海外旅行をしたいと思えば、「海外旅行保険ってそもそも本当に必要なのか」と考える人もいるでしょう。そこで、海外旅行のトラブルに対応する海外旅行保険が必要か否か、入る入らないについて考えてみます。
   

海外旅行でトラブルに遭う確率は3.7%。これって低い?

前述のように、海外で事故・災害、犯罪加害および犯罪被害等で何らかのトラブルに遭遇、日本の在外公館等で援護を受けた人は年間「2万2,349人」です。2018年の出国者数である「1,895万4,031人」から考えると、比率が大きいとはいえません。

また、ジェイアイ傷害火災保険が自社の契約者の事故発生率を公表していますが、2018年度は3.7%(27人に1人。ジェイアイ傷害火災の保険金支払い件数と契約件数からのもの)です。数字だけで見るとあまり多い感じを受けませんが、そんなに事故や犯罪、トラブルなどに巻き込まれる人が多いようでは逆に困ります。

この発生した保険金の支払いの内容のうち、1位が治療・救援費用、2位が携行品損害、3位が旅行事故緊急費用です。つまり病気やケガ、荷物の盗難・ひったくり、飛行機の遅延や荷物が届かないなどのトラブルが多いということです。

なお、300万円を超える高額医療事故のうち、65歳以上の割合が38%です。損保各社が海外旅行保険も70歳を超えると加入に制限がでてきたり、高齢者専用のプランを別に用意していたりしますが、それなりに根拠があるわけです。
 

海外旅行保険の必要性が高い2つの理由

海外旅行保険が必要かどうか以前に、必要性が高くなる主な理由を考えてみましょう。

■理由1:高額な海外での治療費や救援費用
海外で急な病気になったり、事故などで怪我をしたりした場合、旅行先によっては多額の治療費がかかります。日本国内のように健康保険を利用してその場で3割負担(※)、というわけにいかないためです。

海外療養費制度もあるものの、日本国内で病気や怪我の治療を受けるときほど使い勝手がよいわけではありません。またそもそも医療費自体が国によっては高額で、さらに健康保険が使えずまるまる自費となると相当な負担になります。

他にも自分が病院で動けない状態で帰国する(搬送してもらう)ケースや家族が迎えにくると、さらに費用負担が大きくなります(海外旅行保険では救援者費用等で対応)。そんなときに海外旅行保険では、提携病院などでは立替払いせず、キャッシュレスで治療を受けることもできます。

海外の旅行先で現地の言葉を話すことができず、頼れる人もいない、法律や習慣が異なる国で病気や怪我など健康を害する状態にあるときは、同行者がいてもやはり不安です。

それに加えて体を治療してもらうことにつき、多額のお金が必要ということになれば不安はつきません。海外旅行保険に最も必要性が高い部分があるとすればこの点です。

(※)年齢や収入の状況によって違うケースもある

■理由2:事故やトラブルの際のサポートサービス
事故やトラブル、病気になったときは誰でも不安になります。海外旅行保険ではこうした際の対応・相談を日本語で受けるサービスやトラブルの相談窓口があります。クレジットカードでも似たようなサービスがありますが、この点では内容次第でしょう。
 
海外旅行保険 必要か、入るべきか

治療費などの負担を考えると、海外旅行保険は必要経費と考えるのが現実的

確率が低いから海外旅行保険は必要ではないという考えなら、これは他のすべての保険にもいえることです。治療費などの負担を考えると、海外旅行保険は必要経費と考えるのが現実的です。治療費も渡航先によっては高額なところばかりではありませんし、現地に助けてもらえる家族や友人などがいるならそれも考慮するのもありです。
 

生命保険や医療保険に入っていれば、海外旅行保険は必要ない?

ちなみに、生命保険や医療保険などに加入しているから不要と考えるのは早計です。上記のように旅行先によっては多額の医療費負担があります。

例えば入院1日につき1万円定額給付される医療保険に入っていても、自由診療な上に数日入院・手術をして家族が迎えに来なければならないようならほとんど役に立ちません。数十万~数百万かかるようなこともあります。

そのため海外旅行保険の病気などの治療費用などの契約金額は、例えば500万円や1,000万円などと上限を決めて、かかった医療費の実費を支払う仕組みになっています(1日いくらではない)。

また、医療費が高額でもその場で支払う必要がでてきます。これらのことを考慮すると、旅行先の事情を考慮した上で海外旅行保険の必要性は高いと考えていいでしょう。

病気やケガ、災害、犯罪、その他のトラブルいずれの場合でも、日本国内にいるときと同じような対処は難しいと考えておいた方が間違いは少なくなると考えてください。
 

それでも海外旅行保険が必要ないならどうするか?

海外旅行保険に入る入らないは別にして、旅行先の治安や医療情報、危険情報などは必ず確認しておきましょう。

■外務省 海外安全ホームページ
旅行先で何があるか分かりません。テロや災害など何かあったら情報が入手できるようにしておいてください。

■たびレジ
たびレジに登録しておくとタイムリーな情報が送られてきます。

海外旅行保険に必要ない、入らないという人でも上記の2つは必ずしておいてください。
 

クレジットカード付帯の海外旅行保険の確認を

また、できればクレジットカードの付帯の海外旅行保険が活用できないか調べておきましょう。保険金額が少なかったり、そもそも必要な補償がない場合もありますが、それでも何もないよりましです。

頻繁に海外旅行にいくなら、年会費が高めでも、海外旅行保険の補償内容が比較的充実しているカードを持つことも検討してください。十分に安心な補償内容とはいえないケースのほうが多いですが、補償の内容、補償が適用される条件、事故があった際の対応等を確認しておくのはおすすめです。

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