カネボウ、JR北海道問題を揺るがす「組織風土」腐敗

カネボウ化粧品の白斑問題において、抜本的解決に向けては「組織風土の改善が問われる」と糾弾されています。またここにきて話題のJR北海道の事故多発問題でも、その根本原因は「組織風土にあり」と言われています。「組織風土」というものはどのようにして醸成され、また問題がある場合にはいかに改善されるべきなのか、7Sの観点から解析してみましょう。

解説

経営の7S図解

7Sの基本解説の際にも登場した右の図をご覧ください。「組織風土」と言うものは、図の右下「Style(スタイル・風土)」がそれにあたります。中央に位置する「価値観」と「社内システム」「人材」に囲まれたその位置関係から「組織風土」を紐解くことができます。経営者の明確な「価値観」の下、その「価値観」を組織構成員であるヒトが共有し、かつ価値観を損なうことのない社内制度で組織を運営されることで、あるべき「組織風土」は醸成されるのです。すなわち、経営者の「価値観」に濁りがあるならそもそも論外であり、また濁りはなくともその考えが宙を舞うだけで構成員に浸透しないならそれまです。さらに、「価値観」に連動しない上べだけの社内制度がまかり通るなら、それによっても思惑とは異なる「組織風土」が醸成されるのです。

カネボウ、JR北海道。信頼回復のカギは何か

カネボウの問題では、顧客から白斑症状について11年以降、顧客や医師から複数の問い合わせがあったものの、自主回収を決めた今年7月まで具体的な対応を取らないでいました。結果、被害者は1万人近くにも及びました。この点に関して第三者委員会からの報告は、同社の「事なかれ主義」が被害を拡大させたと、厳しく批判しています。まさしく「組織風土」にこそ問題の根本があると鋭く指摘をしているのです。同社は今回の調査結果を受けて、部署間の連携や情報共有を強化する新たな防止策を発表してはいますが、これはあくまで社内制度すなわち7Sにおける「社内システム」の改善への着手を宣言したに過ぎず、今後トップ交代も視野に入れた抜本的な「価値観」の変革と「人材」への刷り込みが不可欠であると感じさせられるところです。