フレンチ/東京のレストラン

アニス(初台)

カウンターを囲むオープンキッチン。凛とした雰囲気の中にある上質なカジュアルさ。料理はモダンガストロノミーだが、いろんな意味でまだまだ伸びしろが垣間見えるアニス。フランス料理の今を楽しみ、これからの発展の夢を見ていきたい。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

銀座から初台へ

銀座のガストロノミーレストランのシェフだった清水将氏が独立するに当たり選んだ場所は初台だった。「予約の取れないレストラン」のハシリともいえるキノシタ、そしてその後カスケットが居を構えた場所である。
アニス

初台駅から山手通りに向かうなだらかな下り坂の途中に光がこぼれるのがわかる

場所はもちろんのこと客層も大きく異なるこの地に、居抜ではなく一から設計し、全く新しいレストランを始めようとした意図はどこにあるのだろうか。暑さが厳しい8月のど真ん中に訪れたその空間そして食事は、ある意味非常にユニークであった。

カウンター席でまずはシャンパーニュを。オープンキッチンになっていて、見た感じはどうみてもカフェ。明るく開放的で、今頃の季節はテラス席も快適だろう。
アニス

開放感あるインテリアになっている

その日は日曜日とあってか早くからテラス以外は満席。そのカフェ風のカウンターで食事を楽しむ老夫婦はDRCのエシェゾーの真紅の色合いと香りを揺らす。カジュアルな服装のゲストの多くはどこかでみたことある方々ばかりであったことも驚いた。
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