潤うだけでなく、小皺も薄くなる!
肌荒れ改善のために購入した「極潤3D形状復元ゲル」ですが、人間の肌に使って効果が出ると言うことは、靴のアッパーに使っても当然大丈夫な筈。試しにちょっと使い古したままお手入れを怠っていた靴を生贄に、これを実際に試用して何か問題が出ないかチェックしてみました。手に取ると結構ベトっとした質感で、初めは適量を取るのに苦労しますが、加減が解るとむしろ無駄使いせず、表面にムラなく伸ばすことが可能になるので慎重に塗り込んで行くと……。上の写真向かって左側(右足)はこれを塗らない状態、向かって右側(左足)が塗ってから約1時間経過したものです。前者に見てとれる履き皺が、後者では完全に消え去ってはいないものの薄まっているのがお解り頂けるでしょうか? また、色合いや艶に殆ど変化が見られないので一見解り難いのですが、後者の方が革の表面にあるブツブツも目立ち難く、しかもモチっとした弾力が革の表面に確実に備わっています。浸透力が強いのでシミが出来てしまうのが心配ではありましたが、少なくともこのミディアムブラウンのカーフではそれも全く起こりませんでした。ただし、全体の色合いが若干深くなった印象もあります。
この商品、晩に顔に塗っておくと翌朝でもその顔はもちろん、それ塗った掌にも水道の蛇口が若干捻り難くなる位に潤いが強烈に残るので、この結果は当然と言えば当然。何と言うのでしょうか、単に水分が浸み込むと言うよりは、水分のベールで表面を覆って元々に近い質感に復元させるような感覚です。通常の靴クリームと異なり当たり前ですが蝋分は含まれていないので、ピカっとした艶こそ期待できないものの、水分で潤っている素直な光沢は簡単に出せてしまいます。
ズバリ、新品の靴に用いる必要はないものの、通常の銀付き革のカーフやキップの靴で長い期間履かずに置いたものや酷使したものをお手入れし直す時に、汚れを落とした後でまずこれを入れると相当な効果があると思います。「他のスキンケアアイテムとの併用も可能」と書かれてありますし、実際、
・これでアッパーの革のコンディションをある程度回復させ、
・その一日か二日後に、通常の乳化性靴クリームでお手入れする。
と、アッパーが今まで以上に元気になってくれるのです。女性のスキンケアの世界では、基礎化粧品の効果を高めるため初めに導入液(ブースター)なるものを用いて、言わば地ならしを行うのが当たり前になりつつありますが、その「導入液」と同じ役割をシューケアでは、このゲルにしていただ訳です。なお、下の写真のように起毛系のアッパーの場合は、用いるとムラこそ起こさないものの色が確実に濃くなってしまうのであまりお勧めは致しません。
お気に入りの靴の寿命を少しでも長く伸ばしたいのは、靴好きならは誰もが望むところ。その秘訣はひょっとしたら、今回の「極潤3D形状復元ゲル」のようにシューケア用品以外のものの何気ない活用なのかも知れません。靴は外に飛び出て新たな世界と結び付くための重要な道具です。お手入れの方法も視野を広く持たないと!