ストレス/人間関係・人付き合いのストレス

SNSを便利に使える人、依存してしまう人

爆発的に増加を続けるSNSユーザー。ところが、使っているうちに仲間との距離が近づきすぎて、人間関係の泥沼にはまってしまう人も。SNSを便利に使う人、依存してストレスを抱える人にはどのような違いがあるのでしょう? 依存せずに、楽しく使うためのセルフケア方法のヒントもお伝えします。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

SNSでのお付き合いに疲れていませんか? 

楽しくて始めたSNSが、だんだん負担になってくるのはなぜ?

楽しくて始めたSNSが、だんだん負担になってくるのはなぜ?

数年前から急速に流行してきた「SNS」(ソーシャル・ネットワーク・サービス)。ICT総研の調査によると、2012年12月末時点での日本のSNS人口は約5千万人となり、国内ネットユーザーの約半分に上っています。

情報を一斉通知できる便利さ、旧友との親交を温め合える懐かしさ、いつでも誰かとつながれる安心感――こんな魅力がSNSユーザーを虜にしているように思います。

一方で、SNSの過剰な機能に戸惑い、SNS上の独特なお付き合いに振り回されて、「SNS疲れ」を感じる人たちも増え始めているようです。

たとえば、サイトの閲覧数や承認数を比べて、不要にやきもきしたり、私生活のアピールや、同調的なコミュニケーションにわずらわしさを感じたり。さらには、プライバシーを常に他人に覗かれているようで、窮屈に感じてしまう人も少なくありません。

新しいコミュニケーションスタイルに魅力を感じて始めたSNS。でも、気がつけば、「SNSをやめると仲間はずれにされそう」「時代に取り残されそう」といった理由から、消極的に続けている、といった人の声も聞こえてきます。

SNSに依存してしまう人って? 

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気がつけば時を忘れて画面に釘付けになってしまうことも

SNSは、自分のアイデンティティをしっかり持ち、他人と適度な距離感を持って付き合える人には、とても“便利”なツールです。「自分は自分」というスタンスで利用すれば、他人のページの充実ぶりを見てジェラシーを覚えたり、自己アピールや会話のお付き合いに気を使う必要もなくなるからです。

つまり、精神的に自立している人にとって、SNSは自分の考えを広く、すばやく伝えるためのプラットホームになり、バラエティに富んだ他人の意見を求め、参考にするツールとして役立ちます。

一方で、アイデンティティが確立しておらず、他人との付き合い方が同調的になっている人にとって、SNSは“依存性”を高めてしまう危険があります。お互いの私生活をベッタリ共有、即レス、友だちの登録数、閲覧数アップ――そして、仲間と自分の“人気度”を比べて不安になったり、友だちと自分の生活の充実度を比べて競争したり、仲間からの批判を怖れて本音を言えなくなったり・・・・・・。そして、何よりSNSに時間が奪われ、リアルな私生活が後回しになっていく。

このようにSNSは楽しく便利である半面、はまりすぎると、さまざまな問題が生じることがあるのです。

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