ケミカルピーリング「基本の"キ"」(2ページ目)

ケミカルピーリングってなに？ その効果と内容

Q：まず伺いたいのは「ケミカルピーリングとはどういうものか？」ということなんですが。
A：ケミカルピーリングとは簡単に言うと、酸を使って皮膚を剥離、除去することです。古い角質などを余分なものを取り除くことによって肌のターンオーバーを正常化することができます。また、真皮層にも多少の刺激が伝わるためコラーゲンの増成が促進され、肌にハリが出るなどの効果もあります。
Q：肌のターンオーバーとはどういったものなのでしょうか？
A：肌のターンオーバーというのは表皮の基底層で作られた新しい細胞が性質や構造を変えながらだんだんと肌の表面に押し上げられていき、最後には角辺（アカ）となって剥がれ落ちるまでの周期のことをいいます。一般的には28日で生まれ変わるといわれていますが、加齢、飲酒や喫煙、ストレスや栄養バランスの不具合などの原因で周期が狂うとメラニンがうまく排出できずにシミやくすみの原因となったり、キメが粗くなる、ごわつく、肌荒れを起こすなどの症状をおこすことがあります。

Q：主にどんな肌トラブルに効果があるものなんでしょう？
A：皮膚のざらつき、毛穴のつまりや開き、ニキビやニキビ痕の赤みなどに効果がありますね。シミやくすみ、日焼けなどの炎症後色素沈着や代謝の低下した肌にも効果を発揮します。

Q：体に使っても良いものなのですか？
A：大丈夫です。背中のニキビなどにもよく使われます。それから毛孔性苔鱗と呼ばれる二の腕にできるボツボツにも効果がありますよ。
Q：受ける際は、どういった手順で受けるのですか？　
A：来院していただいたら、カウンセリングシートに記入していただき、その後洗顔を行っていただきます。その後診察、処置となります。ピーリング自体は数分程度ですし、お化粧直しをする時間を入れても１時間はかからないと思いますよ。

Q：3分！ そんなに短いんですか！？
A：ピーリング剤を肌にのせている間、多少刺激は感じますから、当院では患者様が負担に感じないないよう、短時間で効果のあるものを選んでいます。

Q：あのチリチリ感は私もちょっと苦手なので、それはありがたいです。使用する酸には様々なものがあると聞きますが、どんなものがあるんでしょう？　また、それぞれをどんなふうに使い分けているのですか？
A：主に「ＡＨＡ：グリコール酸　乳酸」「サリチル酸」「ＴＣＡ（トリクロロ酢酸）」等を使用します。
「AHA」の中でもグリコール酸は分子量が小さいので肌に浸透しやすく、コラーゲンを増成しやすいのが特徴です。乳酸はメラニンの生成と皮脂の酸化を抑制するので高い美白効果を発揮します。

「サリチル酸」は脂溶性で肌に馴染みやすく、毛穴に詰まった皮脂を溶かしながら浸透するので、特に角栓の除去やニキビに対して効果的です。

「TCA」はブルーピールなどに代表されるものですが、酸性度が高いため真皮まで作用します。ハードな効果があるため１週間ほどは皮膚がかさぶた状態となり、色素沈着の恐れもありますから慎重に行わなければなりません。

実際の施術では、これらの薬品を疾病や肌の状態に合わせて濃度を変えたり、数種類を組み合わせたりして使用します。日本人の肌にグリコール酸が最もマイルドで、比較的安全に使用できるので多くの施設で使われています。ただ、患者さんの治療時の肌の状態によってピーリングの効果も変わってきますから、担当者は常に細心の注意を払いながら施術する必要があります。
ドクターに伺うケミカルピーリング、まだまだ続きます！