淡路島の地産地消イタリアン 「ラ カーサ ヴェッキア」
店内から見える眺め
京阪神から一番近くて一番大きな島といえば淡路島。その淡路島が国産みの神話にも登場するほど歴史ある島だということを皆さんはご存じでしょうか。古事記が伝えるところによると、天照大神の両親であるイザナギとイザナミが産み出した最初の島こそが淡路島! ちなみに本州は八番目の島なんだそうです。
淡路島へは三宮やJR神戸駅から高速バスが頻繁に出ているので、京阪神在住者にとって海が恋しくなった時、さらには四季折々の豊富な海の幸や淡路牛が恋しくなった時、マイカーがなくても気軽に行けるリゾート・アイランドといえるでしょ
う。
今回は淡路島の東岸の、海の向こうに遥か大阪を見晴らすことができる高台に築80年の古民家を買い取り、今年(2013年)3月開業されたばかりの、地産地消のイタリアン「
ラ・カーサ・ヴェッキア(La Casa Vecchia)」をご紹介します。
「ラカーサヴェッキア」の外観
車で明石大橋を渡って淡路インターで高速を降り、夢舞台の横を通り抜けて東岸を南下、「釜口」の農協の脇を右折して、数分登って行くと、赤いシャッターが目印の消防団の建物が目に入ってきます。ちょうどその真裏が目指すお店。セピア色の写真から抜け出してきたような淡路黒瓦の古民家です。
「ラカーサヴェッキア」の店内
築80年の古民家は2階の床を取り払って、内部の梁はそのまま残して天井裏まで吹き抜けにしてあるので、開放感は格別です。16席のダイニングスペースはフローリングに改装されていますが、壁は古民家に元からあったかのような土の塗壁。この家に刻まれた歴史を大切に残そうと腐心された心遣いがインテリアからも、そして店名(ラ・カーサ・ヴェッキアとはイタリア語で「古い家」)からも察せられます。
地の味を、一皿に。
この春開業されたばかりといっても、実はシェフの米村幸起さんは、少し北の仮屋漁港近くの28号線沿いで「トリコ」という評判のイタリア料理店を4年間営んでおられました。今回は淡路島の食材を知り尽くした上での島内移転というわけです。
お箸も用意されています
米村シェフは熊本県出身。熊本で大学を卒業後、縁あって淡路島に福祉関係の職を得て就職。その後、料理とは全く関係のない念願のアメリカ留学を果たされますが、その渡米中に和食店でアルバイトをしたことがきっかけで料理に興味を持ち、帰国後、京都祇園のイタリア料理店で修業するうちにイタリア料理にはまってしまったというユニークな経歴の持ち主なのです。
熊本ご出身のシェフがなぜ、淡路に店を開かれたのか?を伺うと、「福祉関係の仕事をしていた時に淡路の人たちの暖かさに触れ、そんな淡路の人達が好きになったので、淡路で店を開きたいと思うようになりました。」とおっしゃる米村さん。現在はサービスを担当される可愛い奥様と二人三脚で店を切り盛りされるお忙しい日々ですが、「今後はイタリア料理を通じて地元の人にイタリア料理の文化、そして地元の食材の素晴らしさを知ってもらいたい」と今後の目標を語られます。
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