分譲マンションレポート/大久保恭子の分譲マンションレポート

【取材レポート】ザ・パークハウス晴海タワーズ(2ページ目)

ザ・パークハウス晴海タワーズクロノレジデンスは再開発地区の運河沿いに建つ超高層マンション。晴海の新しい街に建つ833戸もある大規模マンションで、一つの町を構成しているかのようです。売主は三菱地所レジデンス、設計は三菱地所設計、施工は鹿島建設。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

<物件見学レポート2(建物の構造・性能)>
建物の構造・性能の水準は最高レベル

このマンションが建つ前は製粉工場があり土壌汚染が見られましたが、現在は土を入れ替えたので、問題はないとのことです。また、このマンションは埋立地に建っています。南東が運河沿いです。
晴海タワーズ斜面

晴海タワーズ斜面

心配なのは、地震の際の津波や液状化、そして建物の倒壊です。大日本震災以降、この点を気にする方々が増えました。津波対策としては、 防潮護岸が4.6mまでは防護されています。過去に液状化の発生したことはなく、古い埋立地なので地盤が安定してきていることが想像できます。

免震構造で防振ゴムやオイルダンパーにより揺れを小さくする構造になっています。耐震性能を示す等級表示では等級3レベルと同じ高い性能といえます。安全・安心の面では住み手の不安を払しょくするための対策は、ある程度講じられているといえるでしょう。
晴海タワーズ北側空地

晴海タワーズ北側空地

49階建、833戸の大規模であるこのマンションは、先々老朽化したからといって、多数の居住者の合意を得ることが難しいため、建て替えは困難であることが予想されます。したがって、できるだけ長持ちするよう、延命策を講じる必要があります。そうした先々の不安をこのマンションは長期優良住宅の認定により対応しようとしています。


おおがかりなリフォームも対応可、スケルトン・イン・フィル方式

マンションとしてはまだ数少ない長期優良住宅の特色は、地震に強いだけではなく、建物の寿命も100年程度は持つように造られています。加えて、メンテナンスがしやすいように給排水管が躯体の外に配管されています。

住み手の変化に合わせて浴室やトイレの位置を変えるようなおおがかりなリフォームも容易にできるよう、スケルトン・イン・フィル方式になっています。このマンションの構造・性能については、マンション評価ナビでも最高水準の評価となっています。

建物の構造・性能は、万一住んでから不良な面が発覚したとしても、個人の力では簡単に変えようがないものです。しかも、マンションの価値を占める割合は先の立地が8割だとすると、構造・性能は1割程度あとの比重を占めると考えます。あとの0.5割が住戸内の日当たり、眺望などの固有の条件、そしてあとの0.5割が維持・管理です。

マンション選びの際には、気に入らなければリフォームなどで何とか手のうちようのある住戸内の間取りや設備よりも、構造・性能についてより慎重に見極める必要があります。100年は持つ丈夫で長持ちする建物と50年を超えると建て替えなければ住めない建物とでは価値の開きは倍近いのですから。


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