マネジメント/組織マネジメントとは

"組織の血液"コミュニケーションの重要性(2ページ目)

組織マネジメントにおいて、戦略や管理にとらわれ過ぎるとうっかり見落とされがちな組織内コミュニケーションのあり方。上場大企業の取締役レベルにおいてすら、コミュニケーション不足が原因で引きこされたとしか考えられない取締役会での社長解任などという由々しき事件も発生しています。今回は実際の事例を交えながら、組織内コミュニケーションの重要性とそのポイントについて解説します。

大関 暁夫

執筆者:大関 暁夫

組織マネジメントガイド


組織内コミュニケーション3つのポイント

前段では、組織マネジメントにおけるコミュニケーション欠如が引き起こす問題事例として取締役会の社長解任を紹介しましたが、コミュニケーション欠如が引き起こす組織の機能不全は、階層を問わず組織のあらゆるタテ・ヨコ関係において発生しうるものです。組織マネジメントを円滑化させるための日常的な組織内コミュニケーションのポイントを、以下に3点掲げておきます。

解説

コミュニケーションは何より量が大切

(1)コミュニケーションは量が質をつくる
よく「うちは月に1回、中身の濃いミーティングをやっているから、日常的な情報会議は不要」などと胸を張る経営者がいますが、基本的にコミュニケーションは量が質をつくるもの。すなわち、いくら月1回中身の濃いミーティングをしていようとも、それは組織内の意思疎通や意識共有の面で1日5~10分の情報交換を毎日実施することに及ばないのです。やたらに会議を増やせとは申しませんが、コミュニケーションの絶対量の確保は重要です。

(2)フォーマルとインフォーマルを上手にバランスさせる
組織内のコミュニケーションには、会議や朝会などフォーマルなものと、臨時ミーティングや個別相談など臨機応変に対応するインフォーマルなものがあります。フォーマルなものばかりに偏れば本音の部分が見えにくくなり、かといってインフォーマルなものばかりでは、組織として意思統一をして進むことに支障が出ます。(1)で申し上げたように、総体で量の確保をはかりながら、両者の上手な使い分けをすることが大切なのです。

(3)組織内上位者が積極的にコミュニケーションをはかる
組織である以上、仕事上の上下関係はあってしかるべきものですが、コミュニケーションは極力上位者が下位者に対して仕掛けていくものでなくてはなりません。上位者が自発的なコミュニケーションを仕掛けなかったり、下位者からのコミュニケーションに聞く耳をもたなかったりするなら、下位者は委縮して正しい意思の疎通や意識共有ははかれません。先にあげた三越の例のようなワンマン社長の悲劇は、自ら捲いたタネであるのです。

組織マネジメントにおけるコミュニケーションは、戦略策定や業務管理と異なりそれを専門で扱う部署がないため、ややもすると軽くみられかねない存在であります。しかし戦略や管理がうまく運ぶために、円滑なコミュニケーションは欠かすことのできないものであり、決して軽んじてはいけない存在なのです。

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