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危険信号!?夫の年収を知らない妻と、貯蓄は妻任せの夫(2ページ目)

生活トレンド研究所が行った「一般生活者の景況感と家計」に関するアンケート調査によると、「配偶者の手取り年収を知らない」と回答した人が、半数近くいたという驚きの結果が出ました。そこで今回は、夫婦のマネープラン、家計管理、貯蓄の現状について、調査結果を参考に考察します。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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貯蓄は、妻よりも夫の方が相手任せ?

危険が潜む!? 夫婦の家計の現実

危険が潜む!? 夫婦の家計の現実

定期的な貯蓄について調べたところ、「自分も配偶者もしていない」と回答した人の割合は、男性、女性ともに15%前後でした。将来に備えて貯蓄をすることは大切だとはわかっていても、実際にできない厳しい家計状況にあるというのが現状なのでしょう。

貯蓄は、「配偶者がやっていると思う」と回答した人の割合は、男性(夫)22.2%に対し、女性(妻)12.8%で、夫と妻で約1割の差がありました。

※「一般生活者の景況感と家計」に関するアンケート調査(生活トレンド研究所)より

※「一般生活者の景況感と家計」に関するアンケート調査(生活トレンド研究所)より


定期的な貯蓄について、夫の方が、配偶者がやっていると思うと回答した割合が高いのは、夫は、一度、家計管理を妻に任せると、あとは、あまり関与しないという傾向があるのかもしれません。相手に任せっきりにするのではなく、適宜、確認し合い、お金のコミュニケーションを取ることが大切です。

夫の家計管理は「木を見て森を見ず」型?

家計の費目別に夫と妻のどちらが管理をしているかを調べた結果、家電や車などの大型物品購入費は、夫が管理している割合が多くなっているものの、それ以外の日々の生活費の管理は、妻が管理している割合が多いです。全体として、妻が管理している費目が多く、妻が家計の主導権を握っているといえるでしょう。

※「一般生活者の景況感と家計」に関するアンケート調査(生活トレンド研究所)より

※「一般生活者の景況感と家計」に関するアンケート調査(生活トレンド研究所)より


家計を妻に任せる場合でも、家電や車などの大きな出費は、相談して購入を決めるなどのルールを作っている夫婦が多いのでしょう。この管理方法だと、木を見て森を見ずになってしまいがちで、正しい判断ができるのかが疑問です。家計費目の管理は夫婦いずれかに任せる場合でも、チェックはお互いにしたほうが良いでしょう。特に夫は、一度任せたら、任せっきりになる傾向があるので、夫は意識して、家計管理に関わるようにする必要があるでしょう。

マネープランを話し合ったことはない夫婦は、4割!

夫婦間でのマネープランの話し合い頻度について調べたところ、約4割が「具体的に話し合ったことはない」という結果でした。この結果は、すごく心配です。夫婦で将来を見据えて家庭を築くためには、夫婦間でライフプランとマネープランを立てることは重要です。

※「一般生活者の景況感と家計」に関するアンケート調査(生活トレンド研究所)より

※「一般生活者の景況感と家計」に関するアンケート調査(生活トレンド研究所)より


年代別にみると、若年層で話し合っている割合が多いのは、世帯年収が低いため、家計のやりくりを相談する機会が多いこと、出産や住宅購入などのライフイベントを見据えて、話し合う機会が多いためだと考えられます。40代・50代ほど話し合っていない率が上がっていますが、残りの人生も40~50年という長い期間があるので、若い年代の人と同じように、ライフプラン、マネープランを夫婦でしっかり考えた方がよいでしょう。

家計の足元を固めることが、厳しい世の中を生き抜く術

生活トレンド研究所が行った「一般生活者の景況感と家計」に関するアンケート調査の全体を見ての感想は、一言でいえば、「家計の足元が固まっていない」です。家計管理のキホンは、家計全体で収入と支出を管理しながら、貯金目標を達成することです。そして、その貯蓄目標もライフプランとマネープランをベースに決まるものです。今回の調査では、約4割が、マネープランを具体的に話し合ったこともなく、定期的に毎月貯蓄している人も半数を切り、夫の家計管理の関与度が低い、という結果でした。

円安による物価上昇、来年4月に予定される消費税増税など、目先だけ見ても家計の負担への厳しくなるばかりです。更に少し先を視野に入れると、税制や社会保障制度の変更など、家計の負担が一層増すことが予想されています。

不確実性の多い将来を幸せに暮らすためには、夫婦でしっかりライフプラン、マネープランを立て、協力して家計を管理し、計画的に貯蓄をすること、つまり、「家計の足元を固めること」が、ますます重要になってくると言えるでしょう。

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