貯蓄は、妻よりも夫の方が相手任せ?
危険が潜む!? 夫婦の家計の現実
貯蓄は、「配偶者がやっていると思う」と回答した人の割合は、男性(夫)22.2%に対し、女性(妻)12.8%で、夫と妻で約1割の差がありました。
定期的な貯蓄について、夫の方が、配偶者がやっていると思うと回答した割合が高いのは、夫は、一度、家計管理を妻に任せると、あとは、あまり関与しないという傾向があるのかもしれません。相手に任せっきりにするのではなく、適宜、確認し合い、お金のコミュニケーションを取ることが大切です。
夫の家計管理は「木を見て森を見ず」型?
家計の費目別に夫と妻のどちらが管理をしているかを調べた結果、家電や車などの大型物品購入費は、夫が管理している割合が多くなっているものの、それ以外の日々の生活費の管理は、妻が管理している割合が多いです。全体として、妻が管理している費目が多く、妻が家計の主導権を握っているといえるでしょう。家計を妻に任せる場合でも、家電や車などの大きな出費は、相談して購入を決めるなどのルールを作っている夫婦が多いのでしょう。この管理方法だと、木を見て森を見ずになってしまいがちで、正しい判断ができるのかが疑問です。家計費目の管理は夫婦いずれかに任せる場合でも、チェックはお互いにしたほうが良いでしょう。特に夫は、一度任せたら、任せっきりになる傾向があるので、夫は意識して、家計管理に関わるようにする必要があるでしょう。
マネープランを話し合ったことはない夫婦は、4割!
夫婦間でのマネープランの話し合い頻度について調べたところ、約4割が「具体的に話し合ったことはない」という結果でした。この結果は、すごく心配です。夫婦で将来を見据えて家庭を築くためには、夫婦間でライフプランとマネープランを立てることは重要です。年代別にみると、若年層で話し合っている割合が多いのは、世帯年収が低いため、家計のやりくりを相談する機会が多いこと、出産や住宅購入などのライフイベントを見据えて、話し合う機会が多いためだと考えられます。40代・50代ほど話し合っていない率が上がっていますが、残りの人生も40~50年という長い期間があるので、若い年代の人と同じように、ライフプラン、マネープランを夫婦でしっかり考えた方がよいでしょう。
家計の足元を固めることが、厳しい世の中を生き抜く術
生活トレンド研究所が行った「一般生活者の景況感と家計」に関するアンケート調査の全体を見ての感想は、一言でいえば、「家計の足元が固まっていない」です。家計管理のキホンは、家計全体で収入と支出を管理しながら、貯金目標を達成することです。そして、その貯蓄目標もライフプランとマネープランをベースに決まるものです。今回の調査では、約4割が、マネープランを具体的に話し合ったこともなく、定期的に毎月貯蓄している人も半数を切り、夫の家計管理の関与度が低い、という結果でした。円安による物価上昇、来年4月に予定される消費税増税など、目先だけ見ても家計の負担への厳しくなるばかりです。更に少し先を視野に入れると、税制や社会保障制度の変更など、家計の負担が一層増すことが予想されています。
不確実性の多い将来を幸せに暮らすためには、夫婦でしっかりライフプラン、マネープランを立て、協力して家計を管理し、計画的に貯蓄をすること、つまり、「家計の足元を固めること」が、ますます重要になってくると言えるでしょう。
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