消費税アップ、家計でどのくらい負担が増えるのかな?

消費税アップ、家計でどのくらい負担が増えるのかな?

 

消費税アップ、あなたの家計の負担増加額は?

平成31年(2019年)10月より、消費税が8%から10%に引き上げられます。今回の消費増税の経緯を少し振り返って見ましょう。

■17年ぶりの消費税増税、2段階で引き上げ
消費税増税を柱とした、社会保障と税の一体改革関連法案が平成24年8月10日に参議院で可決され、法案が成立しました。消費税増税のスケジュールは、「経済的状況を見て増税を判断する」という条件がついていて、平成26年4月から8%、平成27年10月から10%に引き上げられる予定でした。

5%から8%への引上げは、予定通り平成26年4月に実施されましたが、8%から10%への引上げは、その後、1年半延期され平成29年4月となり、さらに2年半延期され、平成31年(2019年)10月となりました。

消費税アップが現実味を帯びてきた今、家計で備えるべきことはなんでしょうか? 具体的にみていきましょう。

■消費税10%で、家計の負担増加は?
消費税増税と聞いて、やはり気になるのは家計への影響です。2010年の家計調査をもとに第一生命経済研究所が試算した、「消費税率が5%から10%になったときの年収別の年間負担増」によると、専業主婦と子どもが2人の4人家族で、年収450~500万円の世帯の場合の年間負担増額は、12万5889円で、毎月約1万円の負担増加になるそうです。5%から8%への増加で約6千円、そして今回の8%から10%への増加で約4千円と見積もることができます。世帯年収が上がるほど家計支出は増えるので、それだけ負担額も増えます。

■消費税アップの影響を受ける支出と受けない支出
統計上の数字よりも自分の家計の負担増加額を知りたい場合は、その目安として、現在の毎月の家計支出(税込)に1.0185を乗じた(消費税が8%から10%に増えた場合)金額になります。もう少し厳密に計算する場合は、毎月の家計支出のうち、食料などの軽減税率が適用されるものや、消費税が課税されるものと課税されないもの(非課税)を分けて計算する必要があります。消費税のかからない代表的なものとして、居住用の家賃や授業料、社会保険医療等があります。
※税大講本「消費税法」(税務大学校)を参考に、ガイド平野泰嗣が作成

※税大講本「消費税法」(税務大学校)を参考に、ガイド平野泰嗣が作成

●参考:国税庁タックスアンサー「課税取引・非課税取引」
 

タイムリミットまで10ヵ月! 消費税アップに負けない家計戦略

支出額の大きいものから、見直しをしましょう!

支出額の大きいものから、見直しをしましょう!


■「家計のリストラ」をしよう!
 2019年10月の消費税増税まで、約10ヵ月の猶予があります。まだまだ時間があると言っていても、10ヵ月という時間はあっという間に過ぎてしまいます。消費税が上がってから慌てるよりも、今からしっかり準備しておきましょう。

「家計のリストラ」は、単に支出を切り詰めて節約するということではなく、今のライフスタイルやお金の使い方を見直して、優先順位を決めて、家計に入ってくるお金に対し、どのようにそれを使って行くかをリストラ(再構築)することです。

●今の生活で何を一番優先させたいか考える
現在の収入で、やりたいこと全てが叶うという人は、ほんの一握りでしょう。多くの人は限られた収入の中でやりくりしながら生活しています。今の生活の中で何が一番大切かは人それぞれ違うでしょう。家族との生活を大切にする人、仕事に打ち込んでいる人、友人との交流関係を広げたい人、趣味を楽しみたい人など。今の生活で、何を優先したいのか、パートナーとしっかり話し合い、意識合わせをすることが大切です。

●今の支出項目を整理して、4つに仕分ける
家計をリストラするには、まず現状の支出を把握することから始めます。通帳やカード明細から支出項目とその金額をリストアップします。その項目ごとに以下の4つに仕分けします。

項目別にリストアップしたものに対し、いよいよ仕分け作業を行います。仕分けの分類は「不要なもの」「削減するもの」「他の方法で代用するもの」「現状維持」の4つです。

・不要なもの(なくす)
自分たちの生活の中の優先順位に照らし低いものから不要なものとして家計の予算から除外していきます。生活の中であまり意識せずに使っているお金、惰性で使っている金などが対象になります(あまり読まないのに定期購読している雑誌、使わないカードの年会費など)。

・削減するもの(減らす)
生活の中で必要だけれども、量を減らしたり、回数を減らしたりできるものは、家計の予算を削減します(過剰に入っている保険、タバコの本数や旅行の回数など)。

・他の方法で代用するもの(代用する)
生活の中で必要だけれども、他の方法に置き換えることで実現できるもの。買うのではなく借りたり、現在利用しているサービスを別のサービスに換えたりすることで、家計の予算を削減します(外食を中食に変える、スポーツクラブからジョギングに変えるなど)。

・現状維持
優先順位として高いもの、生活上どうしても必要なものは、現状維持とします。

●効果的に行うには、金額の多いもの、固定費を見直す
・項目が多い場合は、金額の多いものから手をつける
家計の支出項目が多い場合は、一つひとつ見直すのは手間がかかります。そこで、効率的に仕分けを行いたい場合は、支出金額の多いものが優先的に実施します。細かな項目や金額にこだわるよりも、優先順位をつけて、できることから即実践した方が効果的です。

・変動費よりも固定費を優先して削減する
毎月の家計の支出には、食費や水道光熱費などのように、支出額が変動する変動費と家賃や保険料などのように支出額が一定な固定費があります。食費や水道光熱費などの変動費の方が節約しやすいと思う人が多いと思います。確かに変動費は日々の努力で節約することは可能です。けれども、効率的に節約をするのであれば、固定費に手をつけるべきです。変動費の削減は継続的な努力が必要ですが、固定費の削減は一度行えば、その効果は永続的に続きます。
 

節約だけではなく、消費スタイルの見直しを

お出掛けに使う車は、レンタルに替える

お出掛けに使う車は、レンタルに替える


節約しようと考えると、食費や水道光熱費、小遣いを減らす、やりたいことを我慢することなどで、なんとか切り抜けようとするでしょう。けれども、例えば食費、水道光熱費を減らすといっても限界はあります。食費を減らすために食事のメニューを考えたり、買い物で工夫したりと、かなりの手間と労力が必要です。家計の負担が減っても、精神的・体力的に負担が増えるのでは、生活が豊かであるとは言えません。

日々の節約も大切ですが、今の生活水準を落とさずに家計に負担をかけない方法を見つけることの方が、より効果的です。その方法として挙げられるのが、消費スタイルの見直しです。

●「所有」から「利用」への消費スタイルの見直し
私たちは日々の生活の中でお金を払い、様々な物を手に入れています。身の回りに欲しい物がすぐ手に入る環境にあるので、私たちは欲しい物をすぐに自分で購入し、それを所有するという生活習慣に慣れてしまっています。最近は、ものを貸し出すサービスが増えています。自動車、パーティドレス、ベビーカー、子ども用の自転車など、必要な時に使えれば良いという物がレンタルされています。

「モノを買う」という生活習慣から「モノを借りる」という発想に切り替えて、今後の生活を送ると、家計の総支出額を大幅に削減できるかもしれません。
【参考コラム】買わずに借りて、家計を大幅改善!

●「安いものを購入する」ではなく、「良いものを長く使う」
世の中、いろいろなものが安く手に入るようになっていて、私たちは「消費グセ」がついているといっても過言ではありません。使い捨てにできるものは、結局、捨てた後にまた購入する必要が出て、支出が継続されるので悪循環です。

それよりは購入時の価格は多少高くなったとしても、良いものをしっかり選んで長く使った方がトクになることが多いです。それに、良いものを使っているので満足度も高くなります。もちろん、良いものを安く購入できれば、なお良いですね。

●長期的なコスパで考える
以前、消費税が導入された時や増税になった時に、「便乗値上げ」とか「駆け込み需要」という言葉が流行りました。今回も同様の社会現象が起きることが予想されます。商売をする側も「増税前の今のうちに……」という殺し文句で営業してきますし、消費者側も「どうせ買うなら、今のうちに……」ということでモノを買ってしまいます。

このような心理状態の時は、本当に必要な物かそうでない物かをしっかり見極めて購入することが大切です。例えば省エネ家電などは、今使っている物はいつかは壊れるものだし、新しい物は性能も消費電力も違うので、電気代も安くできそうです。

一方、前から欲しかったバッグの場合、今までガマンして、なくても済んでいたものを、消費税が上がることを理由に買うというのでは、逆にムダな買い物をしたことになってしまいます。消費税がアップする前に、「必要なもの」と「欲しいもの」をきちんと分けて購入すること、そして、少し長い目でコストパフォーマンス(コスパ:費用対効果)を考えた購入をする習慣をつけることが、増税後の家計を守る手段の1つといえるでしょう。

■家計改善には世帯収入アップが最善の手段
今まで、家計の支出を抑えることについて書いてきましたが、消費税増税に備え、家計を改善することを考えると、収入を増やすということも検討しなければなりません。既に共働きの場合は、共働きを維持できるように、家事・育児の協力体制や家事の負担を軽減するための家電やサービスの利用など、一時的に支出は増えるかもしれませんが、長い目で見た時に家計にプラスになるのであれば、十分検討する余地はあります。

中には、子育てや親の介護などで、どうしても家を離れられないという人もいるでしょう。最近は在宅ワークを仲介する会社などが充実しています。今までの経験を活かした仕事、初心者でも始められる仕事もあるので、そういった仲介会社を利用してみるのもよいでしょう。もちろん、自宅で起業という方法もあります。自分が置かれた状況でも、収入を得る方法は、探せばきっと見つかるでしょう。
 

家計戦略をもとに、未来設計図(ライフプランとマネープラン)をつくる

平成24年の改正(社会保障と税の一体改革関連法案)では、消費税が5%から10%まで段階的に引き上げられることが決まりました。平成26年4月に8%、そして2回の延期を経て、平成31年(2019年)10月に10%となります。その背景には、少子高齢化が進む日本において、年金や医療・介護などの社会保障費がますます増加することが予測されていて、その財源の確保が必要だからです。税制や社会保障制度を見直していく過程で、家計負担は今後も増加することは想像に易いことです。

ガイド平野は、ファイナンシャルプランナーとして、いつも未来設計図(ライフプラントマネープラン)を作ることをお薦めしています。未来設計図はライフプランに基づいて、将来の家計の収入や支出、資産の状況を予測するものです。

未来設計図を作っておくことで、税制や社会保障制度が変わったりしたときに、収入や支出、資産運用などを見直すベースができていることになります。世の中、全て希望のライフプラン通りには行きませんが、先の見えない人生という大海を、未来設計図という羅針盤を頼りに人生を歩むか、勘を頼りに進むかでは、大きな違いです。

家計戦略をもとに未来設計図をつくることは、先の見えない人生で、あなたを導く最強のツールなるでしょう。

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