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どんな物件を選べばいいの?(3ページ目)

競売不動産入門(その5)は、いよいよクライマックス!「どのような物件に的を絞って具体的な購入を検討すればいいのか?」です。

執筆者:江蔵 龍

3.引渡命令は出るのか
物件明細書の先の記載欄に「なし」と書かれている物件であっても、“権限もないのに”落札後も占有し続ける人もいます。いわば不法占拠者です。

また、競売不動産の所有者が、落札後も居座り続けることもあります。競売不動産の所有者は、通常、不動産が競売に掛けられ、その結果、引っ越さなければならないことを望んでいません。このため、不動産が落札されたとしても、「はい、そうですか」と素直に引渡してくれるとは限らないのです。

落札者は、名義上自分のものとなった不動産であっても、こうした占有者からの引渡が完了しなければ、本当に自分の不動産になったとは言えません。しかし、引渡に関しては、法律の規定も複雑でわかりずらく、「素人は競売不動産に手を出すな」といわれる理由がここにあります。

占有者から引渡を受けるにはいくつかの方法が考えられます。
一つは、話し合いにより、任意に占有者に立ち退いてもらう方法です。この場合に、占有者から引越し費用等が要求されることもあります。

話し合いはしたものの、占有者が引渡に応じないケースや、占有者の要求する引越し費用等を支払うつもりがないケースでは、次の段階として法的手続きによる強制的な手段を検討することとなります。

占有者を強制的に立ち退かせるための法的手続きには、「引渡命令」と「明渡訴訟」とがあります。「明渡訴訟」は訴訟なので、時間とお金がかかります。一方、「引渡命令」は、早く・安く・簡単に引渡を実現する制度です。
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