従業員の雇用形態として「限定正社員」制度を考える!
「限定正社員」制度の法整備が進んでいます
正社員以外に、嘱託・パート・アルバイトなどの有期・短時間労働者、派遣社員、外国人労働者、さらには雇用契約でない業務委託型で働く者など挙げればきりがありませんね。
おおよそ雇用形態の概念は、正社員と非正社員の2区分ですが、その中間に当たる働き方がクローズアップされてきたのです。これが今回のテーマ「限定正社員」制度です。従来型の正社員ではなく「労働条件が限定」された「正社員」のことです。
皆様の企業でも、既に正社員の応用型で導入されている事業場があるかもしれませんね。今回は制度がどのようにルール化されようとしているのか、企業のメリット・デメリット、実務上の留意点などを解説していきます。
現在「限定正社員」の雇用ルール整備が進んでいます!
現政権の安倍内閣が推し進めている雇用分野の成長戦略のひとつが、「限定正社員」制度(別名「ジョブ型正社員」制度と呼ばれることもあります)です。雇用ルールの整備に向け今議論が盛んに進んでいます。この議論の背景には、今年(平成25年)改正された労働契約法による有期労働契約の新ルールがあります。ここでおさらいしてみましょう。■改正労働契約法の新ルールのポイント
1.有期労働契約は更新を含めて最大5年まで
2.通算5年を超える有期労働契約が締結されたときから無期労働契約への転換申し込みの権利が付与される
2.により将来、有期契約から無期契約への転換制度を設けなければならなくなったのです。有期契約時代は「限定」された条件で働いていることが多いので、「無期契約の限定正社員」が一気にクローズアップされることになりました。
実務上「限定正社員」ってどのような形態のこと?
「正社員」と「限定正社員」の違いをみていきましょう。すでに正社員の応用形として導入している企業の方も再確認してみましょう。特徴は次のとおりです。■従来型の「正社員」の特徴は
1.労働契約の期間がなく(無期)
2.職種、勤務地、労働時間が「限定されていない」(時間外労働もある)
*言うならば、「無限定社員」ということができますね。
■これに対し「限定正社員」の特徴は
1.労働契約の期間がなく(無期)
2.職種、勤務地、労働時間のいずれか(または複数)が「限定されている」
ことが挙げられます。無期契約で、限定されている労働契約ですね。政府は制度の法整備を2014年度を目途に進めています。
正社員と非正社員の中間的な位置づけの雇用形態といえます
※「限定」正社員は、非正社員の「有期」契約が「無期」化した際の受け皿的な労働形態と言えます。「無期」化しても、非正社員時代と同様、勤務地や職務内容の変更がない働き方です。雇用期間だけ「無期」となるのです。