フレンチ/東京のビストロ

サラマンジェ(銀座)(2ページ目)

オヤジのフレンチがかっこいいオヤジに変身して銀座に移転。天井の高い空間に広がる「旨い匂い」はたまらなく心地良い。変わらないフランスの伝統料理には恐ろしいほどの力があり、食べる側との格闘が連夜繰り広げられる。ワインも手頃。カウンター席にひとり、というのも楽しいだろう。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

オススメはパヴェットのステーキだ!! 定番のブーダンノワールは1000円以下。トリップの煮込みやアンドゥイエット、パテ・アンクルートも健在だ。この日は6人で前菜、メイン、デザートと一品づつ注文。分け合うことなく、食べたい料理と好きなワインで心地良い時間がゆるゆると流れる。

エスカルゴとザリガニはココットで煮込まれ、ロックフォールチーズの香りと共に運ばれる。程よいガーリックの香りは食欲をそそり、バゲットでソースをすく。そしてシャンパーニュと共にすっきりと流し終えたときの快楽をなかなか表現することは難しい。
サラマンジェ

これは食欲を高める最高の温前菜かも知れない

サラダ・リヨネーズは定番のよくあるメニューではあるがサラマンジェでは緻密に、そして大胆に様々な素材を盛り込んでおり、これ以上のサラダ・リヨネーズもこれ以下のサラダ・リヨネーズもないだろう。

フォアグラなどが詰められた鶉のローストは見た目よりもたべ易さを感じる味付けだ。赤ワインはブルゴーニュ系の方が合うかもしれない。RegnardのGevry-Chambertinは程よく熟成し、力強さを併せ持った2本目のGuy-AmiotのChassagne-Montrachetに引き継がれ、料理はワインと共にゆるゆると変化していく。
時折、料理の説明に現れるシェフとの会話も楽しいが、当初は厨房にいたというイケメンソムリエとあれこれと絡むのも楽しいだろう。

メニューには料理名だけでなく、なぜその名前になったのかといったところまで詳しく、わかりやすく書かれている。ハラミとパヴェットは違うということなど、思い込みをしていたことが実は違っていたということに随分と気付かされたものだ。
サラマンジェ

パヴェットステーキ。これはぜひオーダーしたい。

ワインセラーは据付で、外から眺めるのも楽しい。シャトー・ヴァランドローとかある辺り、ここは銀座だ!と思ったりもするが、iPadでワインリストを眺めるほうが老眼が始まった私としてはたいへんありがたい。

虎ノ門の路地裏にあった「オヤジのフレンチ」は進化し、大きくなって銀座という世界有数の街にやってきた。変わらないのは「リヨンの伝統的郷土料理」であり続けることと、同業のシェフたちが毎夜のようにプライベートで食事を楽しみに来ることだろうか。
サラマンジェ

デザートも常時5種類ほど揃い、選ぶのに迷うだろう。

およそ私が知る限り、ここまで料理に強烈な力がある店はそう多くはない。
週末は混んでいるので週中までの予約がオススメだ。

サラマンジェ(銀座)
東京都中央区銀座7丁目2-8 TAKAYA-GINZAビル地下1階(G8の裏辺り)
地図
TEL 03-6280-6481
営業時間 18時~24時
定休日 毎週日曜,祝日にあたる月曜
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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