「学齢期・思春期」は親子が顔を合わせやすい3LDK
子供の成長は早いものです。母親のあとをくっついてばかり、と思っているうちに、気付いたら小学生。そろそろ個室を与える時期です。この時期から望ましい間取りは3LDKということになります。ただし、工夫次第では2LDKでも対応は可能です。小学生の間は、勉強はダイニングテーブルが中心になります。したがって個室は寝るだけのスペースですから3畳程度のスペースで十分対応できます。
同性であれば6畳の部屋にベッドを2つ並べる、4.5畳の部屋に2段ベッドを置く、といった工夫により1部屋でしのぐことができます。異性の場合は各自の個室が望ましいですが、6畳の部屋をカーテンなどで仕切って使うことで、なんとか2LDKも可能になります。
やがて訪れる思春期の象徴である反抗期。母親はやきもきした日々を送ります。特に男の子は極端に無口になるため、何を考えているのか分からず、親のあせりは募るばかり。この時期になると、同性、異性にかかわらず勉強も就寝も個室で、ということになり、3LDKが望ましくなります。
こんな家族が自然なかたちで、互いの気配を感じたり、声をかけたりできる仕掛けが間取りに組み込まれているといいですね。
リビング・ダイニングという家族全員が集まるスペースを通らないと子供部屋には行きつけないような間取りがソレです。この間取りであれば、夕食の支度をしている母親が帰宅して自分の部屋に入ろうとする高校生の息子に、一声かけることができます。リビングでTVを見ている父親が、ジュースを飲みに台所にやってきた中学生の娘に勉強やクラブ活動のことを尋ねることも自然にできるでしょう。
参考として示した下にある間取り図では、子供部屋として使う洋室(2)の4.3畳と洋室(3)の4畳の子供部屋の間仕切りは一般的な壁とドアではなく、引き戸になっているので、部屋の中の音が隣の部屋まで伝わり、勉強しているのかゲームで遊んでいるのかが、気配で分かるという利点があります。
やがて長子が大学進学で、親元を離れることになれば、第2子は洋室(2)を使い、洋室(3)はダイニング・リビングと一体化して広く使うことができます。
参考間取り【2】:3DK、専有面積53.74平米
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