日本酒/おすすめの日本酒

ますます注目度アップの獺祭/旭酒造(山口)を訪ねる

「獺祭」の勢いが止まらない。じり貧の日本酒業界にあって急激な右肩上がりを示す注目メーカー。毎年行われる「東京獺祭の会」に参加し、山口県のお蔵と東京京橋にオープンしたBarに伺い、人気の秘密を探ってみた。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

「二割三分」との2本セットで3万円越えの日本酒

蔵エントランス

山口県獺越(おそごえ)にある蔵。ここを見ればまさに山の中の小さな蔵のイメージ。

獺祭の勢いが止まらない。極低精米の純米大吟醸としゃれたスパークリング清酒を商品とする獺祭(旭酒造・山口県)は、その洗練された味わいと確固たるポリシーでここ数年業界では珍しい右肩あがりを示す国内外ともに知られる人気ブランドだ。東京獺祭の会などの試飲会には、若い男女の姿も多く、日本酒ファン層を広げてもいる銘柄。

 
その先へ

「獺祭 磨 その先へ」は「二割三分」とのセット販売のみ

興味深いのは、昨年秋に発売された「獺祭 磨 その先へ」。すでに発売されている人気銘柄「二割三分」との2本セット販売で36750円という価格。「常識的な造りを超えることによって、美しい香りと共存する重層的な味を実現」したとは桜井博志社長。運よくその味を経験したが、たしかに緻密な舌触りと洗練度が数段上がっているように感じた。

 
その先味わい

その先へ、味わいは緻密できめ細かい舌触り

スペックは公表されていないが、前に社長が「枯らし(精米のあと米を落ち着かせること)をしなくていいことがわかったんだよ」と嬉しそうに語っていたのがこれに結びついているかもと推理している。もちろん精米率もかなりの低さに違いないだろう。製造本数2500本のうち1000本は海外で売れているという。「高価格商品がなければ海外で勝負できないとも」社長は言う。まさに革新。日本酒低迷のこの時代に新しい方向性を打ち出した例だろう。
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