住戸のLD側の間口を広くとった住戸のこと。本来は奥行きよりも間口が広い住戸のことを指すが、一般的には間口が8m以上の住戸をワイドスパンと呼ぶことが多い。ただ、専有面積が100m2の住戸で間口が8mだと奥行きが12mほどになる。平面図が縦長の形になるので、ワイドスパンとは言いにくいだろう。
また、専有面積70~80m2程度の住戸なら、間口が8.5m~9mもあればバルコニーに面してLDと洋室、和室の3面を配置できる。バルコニーが南に向いている場合は「南面3室」と呼び、人気の高い住戸プランだ。
ワイドスパンの住戸は窓を広くとれるため、日当たりや風通しが良い。また、バルコニーを長くとれるため、洗濯物を干すスペースとは別にガーデニングを楽しむスペースを確保することもできる。キッチンをバルコニー側に配置する間取りも可能だ。逆にキッチンを外廊下に面する位置にすることもでき、この場合は玄関のほかに勝手口をつくることもできる。ゴミ出しなどがラクになるだろう。
さらに、ワイドスパンなら玄関からLDKに直接入るプランが可能になる。来訪者がプライベートゾーンである洋室の脇を通ってパブリックゾーンのLDKに入る一般的な間取りとは異なり、居住者のプライバシーを守りやすい。
メリットの多いワイドスパンだが、弱点もいくつかある。開口部が多いため、外気に触れる面が多く断熱性が低くなり、冷暖房費がかさみやすくなるという点。さらに、窓が多い=壁面が少ないため、家具の置き場に困るということもあるようだ。
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