土地活用のノウハウ/空室対策・賃貸管理・老朽化

空室対策の決め手を花の香りの中に見つけた(4ページ目)

空室が埋まらない理由に、外的な負の要因(例:駅から遠い、マイナーな街、買い物に不便など)もあります。その場合でも大家さんの知恵と工夫で、変えることができます。今回は、空室の予防についてお話しします。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

大切なパートナーとのコミュニケーション

しっかりしたコミュニケーションが必要
ある日、私がいつものようにオーナーEさんのマンションを訪れたときのことです。Eさんがエントランスフロアにしゃがみこんで熱心に何かやっておられます。隣にはもう一人、男性がいます。見ると、不動産会社の方でした。

「何をしていらっしゃるのですか?」と、私が声をかけると、二人は、床に貼り付いたガムを一緒になって、一生懸命、削っているのです。「取れない。困ったわ」というEさんに、「こうしたら」と、隣から手を貸し、アドバイスする不動産会社の方。私は「さすが」と、感じました。

ある意味で「商売道具」であるマンションの美しさを保とうとするEさんの努力もさることながら、横から真剣にこれを手伝っている不動産会社さん。つまりEさんは「大切なパートナーである不動産会社さんとしっかりとコミュニケーションをとっている」、そのことをあらためて感じ、感心したのです。

そんなEさんの姿勢を知っている以上、不動産会社は、いいかげんな広告活動や客付けはできません。役立つ情報やアドバイスがあれば、もちろん真っ先にそれをEさんのもとへ届けるでしょう。また、私が入居者であれば、ガム剥がしに奮闘する大家さんの姿を見て、「客」としてもてなされている満足と安心を感じます。すなわち、心には「癒し」を得るに違いありません。

幸福のスパイラルに乗り換えよう!

さて、話をまとめましょう。私からお伝えしたい大事なこと、それは、「幸福のスパイラル」で外的な負の要因に打ち勝つ! ことのお勧めなのです。描き表すと……、

空室がすぐに埋まる物件
    ↓
普段から空室予防が出来ている魅力的な物件
    ↓
そもそも空室が発生しにくい

これが、「幸福のスパイラル」

逆に、
普段から空室予防がされていない
    ↓
物件に魅力が無いので空室が発生しやすい
    ↓
魅力が無いから空室がいつまでも埋まりにくい

これが、陥ってはならない「負のスパイラル」です。

負のスパイラルを遠ざけましょう。あるいはそこから脱して、幸福のスパイラルに乗り換えましょう。立地や経年といった、大家さんの力では覆すことのできない外的な負の要因を前にあきらめず、経営者の視点で努力しましょう。

逆に、好立地、新築といった有利な条件にあぐらをかいて、努力は他人まかせ、空室予防を怠る大家さんの目の前で、時間は瞬く間に流れていきます。
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