「癒し」が伝わると、入居者は部屋を出ていかない
素敵な「花」の効果は絶大です |
そのマンションのエントランスゲートをくぐり、すぐに目に入るもの、それは、素敵な「花」です。いつ訪問しても、エントランスホールでは、赤や白、黄色や紫に彩られた綺麗なフラワーアレンジメントが私を迎えてくれるのです。
でも、このお花にEさんは時間や手間をかけてはいません。地元のお花屋さんと仲良くなり、月々の契約でプロの手でお花を飾ってもらっているのです。「見に来た方のハートを捉える」、「空きを出さない」ことへの投資です。いつも花の香りに包まれた素敵なエントランス、いかがですか? 私の調べたところ、このEさんのマンションでは、女性入居者の定着率が周辺物件に比べ、大変高くなっています。
Eさんのお花が入居者に伝えているものは何でしょう? 色や香り……、心地よい景観……?一言で言うならば、それは「癒し」です。考えてみてください。入居者の多くは、毎晩、仕事疲れの身体で、自宅のあるEさんのマンションへ帰ってくるのです。そんな時、いつも綺麗なお花がそこに飾られ、良い香りが待っていてくれる。とても癒されますね。
この「癒し」は、これからの賃貸住宅経営「氷河期」を乗り越えるための大事なキーワードです。
「癒し」について、たとえば、独身世帯の休日、「あなたは何をしている?」との質問に、最近一番多い答えは何だと思いますか?
答えは、「家に居ます」。
家で「洗濯をします」、「料理をします」、「お風呂にゆっくり入ります」が圧倒的に多いのです。そんな人達にとって、自宅という空間が、ストレスを感じない、過ごしていて常に癒される場所であることはとても重要です。では、特に自宅の中の何が、彼ら、彼女達にとって重要でしょう?
答えは「水周り」です。
さきほどの入居者の声、振り返ってください。「洗濯」、「料理」、「お風呂」、すべて水周りですね。参考にしない手はない、と感じませんか?あなたの物件の、次のリフォームのポイントとして、お風呂・洗濯機置き場・キッチン、そしてトイレの快適度をできる限りアップさせてください。ベランダにある洗濯機置き場は室内へ。3点ユニットバスは「バス・トイレ別」もしくはお洒落なシティーホテル風に。サビの浮かんだキッチンは「もったいない」と言わずに、思い切って新しいものに取り換えましょう。
次は大切なパートナーとのコミュニケーションをご紹介します。