フィンランド/フィンランド基本情報

フィンランドを長距離列車&バスで旅するには(3ページ目)

フィンランドの国土は決して小さくはないので、遠方の街へ繰り出すにはその手段を検討しなければなりません。時間を節約するなら飛行機が便利なのは間違いありませんが、空港のない小さな街に向かう際や、のんびりとリーズナブルに旅情を楽しみたい場合は、長距離列車や長距離バスがおすすめ。運航ルート・時刻の調べ方や切符の買い方などをここで予習して、自分らしい旅のアレンジを楽しんでみませんか?

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド


VRのチケットを買い求めるには

券売機

駅に並んだ緑色の自動券売機。フィンランド語、スウェーデン語、英語の三カ国語対応なので、ガイドに従って操作を進めてゆけば誰でも発券できる

VRのチケットの購入手段は、オンライン上からのネット予約、主要駅の窓口購入、自動券売機からの購入、そして列車内で車掌さんから直接購入する方法(カード利用可)があります。つまり、万が一切符購入が間に合わず乗車することになっても車内で購入すれば問題ないのですが、その際は距離に応じて若干手数料がとられます。

切符

券売機から発券された切符の例。ネット予約の場合も、QRコードがメールで送られてくる

ネット予約は、まずルート検索サイトで希望日時と目的地を入力し、よい乗車便が見つかれば、そこから予約画面に入ることができます。カード決済に成功したらQRコードつきのプリント用乗車券がメールで届くので、それを印刷して所持しておくか、携帯などでリンク先を開いて車掌さんに見せられるようにしておきましょう。

ただしフィンランドの列車は、クリスマスや夏至前後など多くの人が一斉に帰省する特別シーズン以外は、まずめったに満席になることはありません。また、ネット予約のメリットは、60~7日前の購入で日に応じて若干の割引があるのと、予約時点での空席から自由に座席指定ができる点。直前予約で席にこだわらないのであれば、何かと不安なネット予約にすがる必要もないと言えます。

 

窓口

ヘルシンキ中央駅構内にある切符案内窓口。整理券をとって番号が呼ばれるまで待とう

窓口購入ができるのは大きな駅のみで、待ち時間も長くなりがちな上、受付時間も限られているので、直接人から購入しないと不安だという人以外は、駅に設置された緑色の券売機で購入するのが無難と言えます(支払いはカードのみ)。英語モードもあるので、丁寧に画面操作していけばさほど困ることなく目当ての切符が購入できます。

なお、切符は6~16歳は子供料金、大学生以下は学生料金となります。ただしこうした一般券以外を買う場合は、車内での切符検察の際に英語表記のある身分証明書(学生なら国際学生証)を提示する必要があるので携帯しておきましょう。

座席は全席指定席であることをお忘れなく

座席

座席には頭部用クッションが付いていたり、コンセントやゴミ袋が設置されていたりと、快適な旅をサポートしてくれるアイディアにあふれている

いずれの手段で購入したチケットにも、乗車列車の便名と出発・到着時間、そして指定座席番号が記載されています(切符や駅で見かけるフィンランド語の意味はこちらの記事を参照ください)。このうち、Vaunu(ヴァウヌ)が車両番号で、paikka(パイッカ)が座席番号のこと。駅のプラットホームでは、待機している列車の各車両に表示してある車両番号を確認してから乗り込み、自分の席を見つけましょう。トランクなど大型荷物が放置できる棚は各座席室の出入り口付近に設置されていますが、施錠はできないので自己責任での利用となります。

全席指定とはいえ、満席が珍しいことからも、良い空席があればふらりと座ってしまう人が多いゆるさもフィンランドならでは。特に車内で切符購入する予定ならば、ひとまず空いている席に着席して、車掌さんが回ってくるのを待っていればOK。もしそれまでに席のチケットを持った乗客が現れたら、すぐに席を譲りましょう。逆に、自分が予約したはずの席に上記の理由で先客が座っている場合もあるので、その時はチケットを見せて平和的に交代してもらいます。

実はしばしば、同じプラットホーム内に行き先の違う2つの列車が同時に待機していることがあり、違う列車に乗ってしまうというトラブルがときどき起こります。案内表示に注意を払い、不安なときはなんでも駅員さんに確認するのが安全策といえます。


最終ページでは、一度は体験してみたい夜行列車と、長距離バスのルールについてご紹介!
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