多くの日本人に愛され続ける金魚。一口に金魚といっても非常に多くの品種が存在し、その容姿は千差万別。なかなか奥の深い世界で、一般に普及する和金や流金、熱心な愛好家が多く存在するランチュウなど、その種類は多岐に渡り、一般にあまり知られていない品種も多く存在している。

今回は爽やかな桜の名が冠せられた、また希少性の高い桜錦に注目。生産量が少ないため観賞魚店で目にする機会が少なく、名前の由来となっている淡いパステルカラーの色彩が魅力的。

サクラニシキ

桜錦:淡いパステルカラーの桜色の金魚。


桜錦の魅力にせまる

桜錦の最大の特徴は、そのパステル調の淡い色彩。透明感のある上品な赤と白の更紗模様は、他の金魚とは一風趣が異なる。体型は、ランチュウ型。背びれのない俵型の体型で、頭部に若干のこぶを持つ。また、モザイク透明鱗(透明なウロコと普通のウロコが混ざる)である事も特徴の1つだ。

桜錦が作出された過程は、ランチュウと東錦の交配により作出された江戸錦の中から、特に体に黒い色素の入らない透明鱗を持つタイプを、選別固定する事によって作り出された。本来は、ランチュウ同様に、上方からの鑑賞を目的とされる魚だが、屋内で楽しめるように小型の水槽でレイアウトしてみた。注意点として、金魚は水を汚す魚なので、消化吸収の良い人工飼料を食べ残しが無いように与え、早めの水換えを心掛けるようにすると良いだろう。また、脱臭、脱色効果のある活性炭を、ろ材に使用するのも効果的だ。

サクラニシキ

水槽レイアウトの一例。金魚には、やはり和のイメージがよく似合う。※成長に合わせて、大きな水槽への移動が必要。

2002年は、金魚伝来500年の年

今からおよそ2千年前の中国で、フナの突然変異で現れたヒブナが固定され、選別交配が繰り返され現在の形へと品種改良された。これほど人の手によって、多くの品種が作り出された生物も珍しいかもしれない。

日本に伝わってきたのが、今からおよそ500年前の1502年。大阪の堺市に持ち込まれたとの記録が残っている。今日では、犬、猫に次いで、最も親しまれるペットとして一般に広く普及、また、多くの愛好会、品評会などが行われるまでに浸透している。なかには、国の天然記念物に指定されている高知県の土佐金、愛知県の地金などといった品種もいる。

そんな節目の年である2002年には、各地で伝来500年に因んだイベントが行なわれ、金魚の静かなブームが巻き起こっている。桜錦のような、ちょっと珍しくて綺麗な金魚が、今後、益々目にする機会が増えることだろう。
桜錦

All About Lanガイドの岡田さんが飼育する桜錦。



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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。