50歳後半は恩恵が大きい

昭和28年4月2日以降に誕生した人のリタイアメントプランニングに立ちはだかる最初の山は、60歳定年後の年金空白期間の過ごし方でした。無収入の場合、年金が支給されるまでの生活費は、退職金や金融資産を取り崩してカバーせざるを得ません。老後資金にゆとりがある人はほんの一握り。多くは老後資金を少しでも多く残したいので「少なくとも年金の支給が始まるまでは働きたい」と考えています。 

この問題を「改正高齢者雇用安定法」は一挙に解決してくれました。何よりの課題である60歳以降の職場と年金空白期間の収入が確保できるわけですから、これ以上の恩恵はありません。雇用内容によっては、国民健康保険税や介護保険税の負担が軽減し、妻の国民年金保険料納付も不要になることもあります。また、厚生年金加入期間が長くなるので若干ですが年金額も増えるでしょう。老後資金の余裕度が増す人は多いのではないでしょうか。

50歳未満はデメリットが大きい?

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「給与や人事や企業年金はどう変わるのだろう。しわ寄せが心配……」

「年金空白期間をいかに埋めるか」に対応した今回の改正は、50歳以下の従業員にとってはデメリットが多い、と危惧する人もいます。

前出の(財)行政研究所「改正高年齢者雇用安定法への企業の対応アンケート」(2013年1月18日)によると、「改正高年齢者雇用安定法」への企業の対応は、
  • 人事制度改訂の方向性 : 今後のコスト増を抑えるため「給与水準の見直しを図る」50%
  • 継続雇用者が増加した場合の若手・中堅層(新卒含む)の採用動向 : 若年層の雇用を抑制43.7%
とあり、企業は若年者の雇用や生涯賃金を視野に入れた給与水準の見直しなどを想定しています。

また、60歳定年前に退職する人については継続雇用の対象外となることから、現在は主に経営建て直しのために行っている早期退職制度や希望退職制度の募集が経常化し、対象年齢も低年齢化する可能性もあります。選択定年制を導入する企業も増えるかもしれません。若年・中堅にとっては負の影響が大きいのではないでしょうか。

企業は、「改正高齢者雇用安定法」は熟練労働者の確保や技術の伝承などの面でメリットはあるが、給与制度や人事制度、福利厚生制度などについて根本的な見直しを迫るもの、と受け止めています。これからしばらく様々な制度の手直しが続くでしょう。将来「2013年の改正高齢者雇用安定法は、安心してリタイアできる原点になった」といえる改正であって欲しいですね。

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