天気がよければ心身ともに上向きになる理由
スポーツにも最適なシーズンになってきました
晴れていればスポーツや旅行などにもってこいなのはもちろんですが、基本的に気分も盛り上がり、何だかポジティブな気持ちになってきます。逆に、体調はいいのだけれど、曇や雨だったりするといまひとつ気分が乗らない……。これも共感される方が多いと思います。
メンタルだけではありません。天候はフィジカル、身体の調子にも少なからず影響を与えます。よく言われるのは、低気圧や台風が近づいてくると、関節リウマチや関節炎の持病がある人が「身体の節々が痛む」と訴えるケースでしょう。また、何らかの慢性疾患を有している人も気分が悪いと感じるようです。
好天=高気圧がIGF-1を増やす!
なぜ天候によって人間の心身は影響を受けるのか。それは天候を左右する気圧が高くなったり、低くなったりすることに深く関係しています。私は、研究の結果、気圧の高い環境に身体を置くと、体内でIGF-1が増えることを確認しました。「因果関係は存在した!?薄毛男性にメタボが多いワケ」で述べたとおり、IGF-1は生活習慣病予防や健康維持、ひいてはアンチエイジングに欠かせない重要な物質。さらに、抗炎症作用や抗うつ効果もあるため、IGF-1が増えると痛みが取れたり、気分も明るくなるのです。
高い気圧がIGF-1を増やすメカニズムは次のとおりです。
プロスタグランジンは、カプサイシンやイソフラボンのような働きをする物質
- 気圧が高くなると、皮膚の小さな動脈の血管は圧迫されて細くなり、血管に加わる圧力が高くなる
- この結果、血管を広げようとして、血管をつくっている細胞が、血管拡張作用がある一酸化窒素(NO)を盛んにつくるようになり、これが「プロスタグランジン」という物質を増やす
- プロスタグランジンは血圧を下げたり、血栓を予防したりする生理活性物質。これが知覚神経を刺激して、IGF-1を増やす
つまりプロスタグランジンは、トウガラシや大豆に含まれるイソフラボンのような働きをするわけですね。
次ページではIGF-1が増える理想的な気圧の数値を解説します。