2/2 JR大阪三越伊勢丹に登場！ MIYAGI KOGYOの紳士靴 [男の靴・スニーカー] All About

もう、「ないものねだり」しないで済みます！

トウシェイプはいつの時代も裏切らない・裏切られることのないアーモンドトウです。その外踝側のカーブは従来のものに比べ敢えて僅かに緩やかに設定していますが、決してコロコロ丸くはなり過ぎてはいません。あくまでオーバル・アーモンド的なスリムな形状であるところに、革靴現役世代向けの商品であることを実感できます。

極めて普遍的な4つのデザインでJR大阪三越伊勢丹にお目見えする「MIYAGI KOGYO」の紳士靴は、木型を革靴現役世代の日本人男性の足の傾向、すなわち「指が長くて、平べったく細い足」にも合うように修正しています。主な変更点は以下の2つです。

甲より前がより素直に靴に馴染むよう、つま先の捨て寸を短くした。
踵周りの造形をより小振りにし、その部分の「押さえ」が更に効くようにした。

1.はここ10年来のロングノーズ主流傾向が漸く終止符を打ち、つま先の造形が本来あるべき自然な長さに戻り始めたことを象徴するかのような変更です。肝心のトウシェイプも、「どいつもこいつも解ってないなぁ……」とここ数年の新品の靴に興味を示せなかった方を喜ばせること間違いなしの、細身ながらも普遍的なアーモンドトウを採用しています。一方2.については、内踝側を特にしっかり支えるべく土踏まず部まで届く革製月型芯を採用したのを通じ、踵とは反対側の指先の動きもいっそう快適になっています。

上に乗せた細身のボールペンとの対比で、踵周りの小振りさがお解りいただけると思います。二の甲より上の靴の稜線を内踝側にかなり寄せ、外踝側のトップラインをより低めに設定しているのもこのブランドの靴の特徴です。

なお、アッパーの革には、柔らかさの中にハリも感じさせてくれるスイス産の原皮を国内で鞣したキップを用いており、これも木型とデザインパターン（こちらも実は、従来のものから多少変更しています）と綺麗に調和しています。審美眼の厳しい関西圏の男性にどう鍛えられてゆくのか、早くも興味津々ではありますが、個人的には東京では買えそうでまだ買えない靴であるところが、実はとても大きなポイントのような気がします。売る側も買う側も目先の流行に惑わされた結果、一見どこにでもありそうでいつの間に「ないものねだり」状態となっていた、「普遍性を果てしなく追求した者のみが持つ、穏やかで端正な表情」が、この靴にはしっかり出ているからです。