ヒマワリの花の色や植える場所
さんさんと夏の日差しが照りつける中、その太陽をめがけるように、すっくと立つ黄色いヒマワリの花……。学名の「Helianthus annuus」はギリシャ語で「太陽」を意味する「helios」と「anthos(花)」が語源とされ、英名はサンフラワー(sun flower)、漢字で書いても「向日葵」です。つまりヒマワリは、誰が見ても「太陽」のイメージを抱かせる花ということになるでしょう。
そんなヒマワリ、私が子どもの頃は太く長~い茎を軒まで届くくらいに伸ばして、大きなお皿のような花を咲かせる……という、まさにお日様のイメージのものが多かった気がします。
ヒマワリは黄色だけではない
また、花色も黄色一色ではなく、オレンジ色や情熱的な赤、チョコレートを思わせる渋みのある赤のヒマワリもありますし、花弁がライオンのたてがみ状に並ぶものでなく、八重咲きと呼ばれる花弁の多いタイプもあります。
ヒマワリも植え場所によって草丈を選んだり、好みで花色も選べるようになってきたんですね。
ヒマワリのデータ
ヒマワリの種まきの時期
ヒマワリの種は大粒なので、点まきに
前項で述べたように、一口にヒマワリといっても様々な種類があります。草丈や花色など、種袋の記載をよく確認して種を購入しましょう。
ヒマワリの種まきの適期は4月下旬から5月頃で、発芽適温は20~25度くらいです。種まき用の圧縮用土や培養土を入れたポットに、深さ1センチ程度の穴をあけて、その穴に点まきします。庭植えなどあらかじめ植え場所が決まっている場合は、直まきにしてもよいでしょう。
ヒマワリの発芽
種まきのために開けた穴を塞ぐように覆土をして、発芽するまで用土を乾かさないよう管理します。なお、用土は種まき前に湿らせておくとよいでしょう。種まき後に水やりをすると、覆土が流れて種が露出してしまうことがあります。
ポット植えのものは、本葉が5~6枚になるまで育苗した後、定植します。以降は、苗からの育て方に準じます。
ヒマワリの水やり、肥料、害虫
■植え場所スクスク生長するヒマワリ
ポット苗を移植する際は、根を傷めないよう根鉢を崩さずに植え替えましょう。
■水やり
鉢植えの場合は土の表面が乾いたら、たっぷり水やりします。夏場はすぐに土が乾燥してしまうので、朝・夕と2回水やりが必要な日もあります。
庭植えの場合は、定植した苗が活着するまでは、表土が乾いたら水やりを。新たな葉の伸びや展開が見られたら活着したとみて、その後は土が乾いたら水やりをします。過湿には注意しましょう。
■肥料
草丈の低いタイプも
鉢植えの場合は、2週間に1回程度の割合で液体肥料を与えます。
■病虫害
病虫害の発生は多くありませんが、アブラムシやハダニが見られる場合があります。ハダニは高温乾燥時に発生するので葉水の散布でも対応できますが、アブラムシには市販の薬剤や自然農薬で対応します。
なお高性種のヒマワリは、途中で倒伏しないように、支柱を立ててあげるとよいでしょう。
ヒマワリ雑学
■ヒマワリの花は一つ?ヒマワリの花、一輪かと思ったら実は……
舌状花には雄しべがなく、管状花は外側から内側へと徐々に開花していきます。管状花には雄しべと雌しべがあり、これがやがて種を結びます。
■ヒマワリは回る?
よく語られている説に、ヒマワリの花は太陽の動きに合わせて回るから「ヒマワリ」というのだ、というものがあります。実際には生育中に太陽の方に向かっていくことはありますが、それも蕾の段階まで。開花したヒマワリが、お日様を追いかけて回ることはありません。
■ヒマワリの開花時期
ヒマワリは種まき後、極早生品種で約50日、晩生品種で約80日で開花します。同じ品種であれば種まきから開花までの日数はほぼ同じになるので、種まきの時期をずらすことで開花時期もすらすことができます。
たくさんヒマワリを植える場合、種まきを意図的にずらすと全体的に楽しめる花期間が長くなります。
ヒマワリの利用法と楽しみ方
様々な活用法がある、一面のヒマワリ畑
画像は農業試験場のヒマワリ畑で、連作障害を防ぐのと土壌養分の均一化を目的に、毎年圃場を変えて植えられています。
また、ヒマワリの種からは「ヒマワリオイル(サンフラワーオイル)」が採れます。この油は食用だけでなく、石鹸や化粧品にも加工されます。また、日本ではペットの餌という認識の方が強いようですが、食用のヒマワリもありますね。ヒマワリ油の搾り粕は家畜飼料にも用いられ、飼料用のヒマワリというのもあります。
なお一般家庭での楽しみ方としては、切り花で使用されることが多いでしょう。切り花にした際、水揚げが悪くてくったりしてしまったときは、切り口から5センチくらいを熱湯に10秒ほど浸け、すぐに水に移す「湯揚げ」をしてみましょう。
被災地に咲くヒマワリ
世界中のたくさんの人たちに愛される身近な花、ヒマワリ。
今年はお子さんと一緒にチャレンジして、種からはじめて種を収穫するまでのヒマワリ栽培を通して、生命を育む大切さを学ぶ機会にしてみるのもおすすめです。
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