ファスティングとは?
ファスティングとは、英語のfastという動詞(断食する ・絶食する・精進する)の名詞形。つまり、「断食」「絶食」を意味します。もともとの「断食」は宗教的な儀式や精神的修行の一形式として行われてきましたが、近年では病気の治療や健康増進として、欧米でも脚光を浴び、科学的な研究も盛んに行われるようになりました。そして現在、アスリートや芸能人の間で話題となっている「ファスティング」は、完全な絶食ではありません。主に野菜や野草のエキスを糖質による発酵抽出で完成させた酵素ドリンクを用いながら行うので、気軽にチャレンジできます。
通常の食事は一切しなくても、ドリンクから必要最低限のカロリーやミネラル・ビタミンを補給できるため、短期間であれば無理なく、安全に行うことが出来ます。
むしろ、ファスティングを行うことによって日頃休みなく働き続けている内臓に休息を与えることができ、それによって、それまでに溜め込んでいた有害物質を体外に排出することができるようになるのです。
ですから、カロリーを抑えることでのダイエット効果だけでなく、体内をリセットし、健康な状態に戻す療法でもあるなのです。
ファスティングの効果=消化機能を回復させる
現代人に体にリセット期間を与える必要があるのはなぜでしょうか。私達は毎日食事をしたものを小腸から栄養としてとりこみ、不要なものは便・尿・汗などで体外へ排出しています。これらの作業はみんな当たり前に行われていると誰もが思っていることでしょう。しかし、消化に負担がかからない量や内容を見極めて食事をしている人は少ないのが現状です。
ですから飽食時代である現代は、食べ過ぎ傾向の人も多く、この消化・吸収・排出という作業がかなり困難なものになっているのです。その上、加工食品などから食品添加物やトランス脂肪酸などを摂取する機会も多く、消化作業にはますますエネルギーが必要になってきます。
また、有害物が入ってくるルートは口からだけではありません。大気汚染、タバコの煙、自動車の排気ガスなど呼吸とともに入るルート、化粧品や洗剤などに含まれている化学物質、環境ホルモンが皮膚から吸収するルート……と様々。私達が想像している以上に臓器は様々な有害物質によってダメージを受けているのです。
体には、「吸収は排泄を阻害する」というルールがあります。体によいものを食べ、それをしっかり吸収させるには、まずは疲労困憊の臓器を休憩させ、機能を回復させることが何より優先なのです。
3日間以内の軽いファスティングを年に2~4回おこなって
ファスティングというと、3日や1週間、中には数週間と長い期間に挑戦している方も多くいらっしゃいます。でも大切なことは日数ではないのです。どれだけ継続するかが重要なのです。先ほども述べたように、日々体に入ってくる有害物質の解毒・排出にエネルギーを奪われているのです。
長い日数のファスティングを実施したとしても、その後数年間、体を酷使しては結局同じこと。日々、消化に負担をかけないよう意識することと、3日間以内でも良いですので、年に2~4回はファスティングで体をリセットさせることが理想です。
ファスティングによる様々な効果……「食事」への意識が変わる!
具体的に、ファスティングをするとまず味覚の変化が起こります。普段から外食が多い方は特に、濃い味付けや化学調味料などによって、味覚が麻痺しているもの。現代に多い糖尿病や高血圧、肥満なども味覚の狂いと深く関わっていることは自明の理です。たった数日であっても固形物を摂らない期間をつくることで、味覚はリセットされ、素材そのものの味を感じることができるようになっているのです。
数日ぶりに口にする回復食のお粥のあまりの美味しさに中には涙を流す人もいます。これは美味しさに対しての感動だけではなく、食べられる有難さや感謝の気持ちも合わさってのことでしょう。今まで漫然と、当たり前のように食べていた食事ですが、ファスティング後は体だけでなく、心のリセット効果にもつながるのです。
「食べられる状況で食べない日をつくる」ことと「いつ食べられるかわからない」とは全く状況が違います。これだけ食べ物が溢れ、飢餓を味わうこともない恵まれた飽食時代だからこそ、自らの意思で食べない日(ファスティング日)をつくることは、食に対しての意識を見直すきっかけとなるかもしれません。
心身の浄化のためにまずは「食べ過ぎない日をつくる」ということからスタートしてみてはいかがでしょうか。
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