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石川尚の一家一脚・椅子物語UP#002 どぉ~ンとあぐらがかける椅子(2ページ目)

UP#002:とても温もりのあるフォルムは、まるで竹林を彷佛させる『日本の風景美』つまり、‘直線’を連続させたカタチ・・・・・安らぎ、落着く気持ちになる椅子である

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

また、名前の由来である‘スポーク’(径15mm の細い棒が13本)はナチュラル色のオーク材であり、座面に座った時、身体ごと包込むように軽く弧を描きながら並んでいる・・・とても温もりのあるカタチだ。
それも上部の笠木(上の横棒)に吸込まれるように納まっているデザインは、まるで竹林を彷佛させる『日本の風景美』つまり、‘直線’を連続させたカタチ・・・・・安らぎ、落着く気持ちになるのは当然である。


1962年といえば、当時デザインという言葉が珍しい時代(以前、「デザイン」のことを「意匠」とか「図案」とか言っていたと倉俣さんからお聞きしたことがあるが・・・)、日本のファニチャーデザインの元祖となった『形而工房』のメンバーであった豊口克平氏、56歳の作品である。

洋風化した現代生活は、ビジネス空間はもちろん、住まいでも少々「高さ」のある道具(デスク、テーブル、椅子など)に囲まれている。・・・ハードな仕事を終え、疲れた身体を癒す時、この「どぉ~ンと座ってあぐらをかくぅ!」は日本人のくつろぐスタイル、心も身体も自然体にしてくれる椅子なのである。

■UP#004
Spoke Chair/スポークチェアー
 
・1962製作/日本
・SIze  :W 820 D 670 H 830/SH 320
・Material:オーク。布張りシート
・Designer:豊口克平
・Product :天童木工
・Shop  :Nippon Form/にっぽんフォルム

・Price  :¥93,000~102,000-







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(C)FEB.2003 Copy & Photo by イシカワデザイン事務所 & 菅原 拓

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