←Stool E60に背をつけたアームレスチェアーNo.66・・・白木とゼブラ柄の座面が可愛い!
北欧ものにはこの手のカウハイドが似合う・・・ボクも大好きだ!
スツールに背を付けたアームレスチェアーがシリーズにある。実際、図書館での需要を考慮してデザインしたのだろうが、どうみてもスツールが原形のチェアーである。
椅子の原形はスツールからなのだ!と改めて感じるデザインだ。
アアルト氏がこんなことを言っている・・・・・『私たちは木製品を扱うようになった、、、というのも、ニッケルメッキやクロームメッキのスチールファニチャーが与える印象は(とくに病んでいる人々には・・・当時、彼は病院等公共施設も設計している)心理的効果がきつすぎると思われたからだ。そして木材の加工や温かみのある穏やかな素材をもとに合理的な構造でファニチャーを創りだそうとした。』・・・30年代半ばには制作会社『Artek』を設立し、現在も製作販売をしている。
今から70年も前のこと・・・デザイナーの鏡である。
やはり、当初の3本脚タイプの完成度がすばらしい! 緊張感のある精神的な美しさが目に焼き付いている。
※参考:SD9606 鹿島出版会 →
このスツールは当初、3本脚。
(たしか、研究室にあったのはそのタイプだったと記憶してる)
どんな床も(一般的には水平に見えるが)平坦ではないことを考えると3本脚は安定感があり、材料も少なく効率的である。がしかし、時代とともに、座面の色や素材も変わり今はこうして4本脚が定番となっている。
当時、悩めるボクにとってこのスツールは、『余計なものを削ぎ落としたデザインは、精神的な美しさを生むんだよ!』って教えてくれた椅子のひとつでもあった。
■UP#006
Stool E60/スツール E60
・1930製作/フィンランド
・SIze :W 440 D 440 H 380/SH 380
・Material:ブナ、白樺材
・Designer:Alvar Aalto/アルヴァ・アアルト
・Product :Artek
・Shop :
・Price :¥18.000-
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