首都を見渡しながら、珠玉の料理と空間デザインを味わう
Ravintola Savoy
優美なエスプラナディ通りを見下ろし、大聖堂を等高で眺めながら贅を尽くした料理を味わえるとびきりのテラス席は、冬でも寒さを気にせず利用可能
サヴォイが店を構える8階までは、南エスプラナディ通りに面する建物の重い扉をくぐって、趣きのあるエレベータを利用する
高層ビルのないヘルシンキの中心街にできた、この貴重なスカイレストランはまたたく間に名を馳せ、当時の全国紙にも「ヘルシンキの屋上で会食の喜びを!」という見出しで大きく取り上げられたといいます。
アールトらしさが散りばめられた、上品で落ち着きのある空間
アールトが全面的にインテリアデザインを手がけたフロアは、とても上品で温かみのある雰囲気
木、レンガ、金属、植物などさまざまな素材が美しく調和した空間は、まさにアールトならでは
フロアには、木材のぬくもりを大切にした内壁や家具がたくさん。そこに革張りの椅子や金属製ランプ、部分的に白く塗り込められたレンガ壁や緑のツタがとても優雅に調和していて、これぞアールトの真骨頂と言わんばかりの、バラエティ豊かで上品な空間が広がっています。
フロアの一角には、フィンランド軍の最高指揮官や元大統領として名高く、食通でも知られたマンネルヘイム氏御用達の専用テーブル席が現存。いつでも予約が殺到する特別席です。
アールトのデザインを愛でながらアールトワインはいかが
こうしたアールト色一色の空間で料理とともにぜひ味わいたいのが、なんとアールトファンを名乗るスペインのワインメーカーのオーナーが自ら製造したという、その名も「アールト・ワイン」。この記念すべきワインは、サヴォイの食卓でいただけるほか街の酒専門店でも購入可能です。
料理には、テラスで栽培する自家製ハーブやはちみつもたっぷり使用
味もディスプレイも洗練された料理の数々。さり気なく彩りと香りを添えるのは、レストランのテラスで栽培されるハーブたち
陽当たりのよいテラスで育てられたハーブも大事な素材
素材もその日に入手できるものから厳選。完成した料理には、レストランのテラスで栽培され、摘み取られた自家製ハーブや花弁がさり気なく彩りと香りを添えてくれます。さらに建物の最上階には養蜂場もあり、収穫したはちみつを使った料理やデザートも食卓に並びます。
サヴォイの定番メニューといえば、ニシンのすり身とひき肉をマッシュ状になるまでトロトロに煮込んで成形したフォルシュマーク(vorschmack)。自宅からも近くサヴォイの常連客だったマンネルヘイム氏が、ワルシャワでの役員会の場で出会ったフォルシュマークの味に感銘を受け、サヴォイのシェフにレシピを持ち込んで再現をお願いしてメニューに加わったというエピソードの残る料理です。ヘルシンキの歴史を見下ろし続けてきたサヴォイを訪れたからには、ぜひ試してみたい逸品です。
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■Ravintola Savoy(ラヴィントラ・サヴォイ)
住所:Eteläesplanadi 14 8F, 00130 Helsinki
TEL:+358 9 6128 5300
アクセス:ヘルシンキ中央駅から徒歩7分(エスプラナディ公園すぐ)
営業時間:月~金曜11:30~15:00、18:00~24:00。土曜18:00~24:00
定休日:日曜日
平均価格:コース60~96ユーロ、前菜19~32ユーロ、メイン40~47ユーロ、デザート17~19ユーロ
日替わりランチはコース料理で60ユーロ~
※マンネルヘイム特別席とテラス席は要予約
※上記データは記事公開時点のものです。
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