都心の古き良きリラクゼーション施設、ウュルョン通りのスイミングプール
サチエさんがよく泳ぎに来ていたこのスイミングプールは、なんとヘルシンキのど真ん中にたたずむ、フィンランド最古のスイミングプール
「ウュルョン通りのスイミングプール(Yrjönkadun uimahalli)」と名のついたこのプールは、なんとフィンランド最古にして、往時の姿をとどめたまま現存するとても貴重な市民プール。これまでの修復工事のたびに、建築資材や色合いが当時のまま再現されているといいます。プールは現在ヘルシンキ市が管轄しているものの、もちろんヘルシンキ市民でなくとも、誰でも気軽に立ち寄ることができます。
入口には、やや目立たないがスイミングプールであることを意味するuimahalliのレトロなロゴが健在
さらにこのスイミングプールの驚くべき特色は、なんと「水着を着なくてもOK」であること!! 実は、公衆衛生が不十分であった20年ほど前までは、水着はバクテリアを繁殖させてしまうからとむしろ「着用禁止」されていたのです(今でもサウナ内は水着着用禁止)。現在では、水着を持参する人と、往時のしきたりに倣って裸のまま泳ぐ人の割合は半々くらい。もちろん、曜日ごとに男性の日/女性の日が分けられているので、温泉のように、異性の目を気にせず堂々と素っぱだかで泳ぐことが可能なのです!
汗を流すか、一息つくかは、お客さん次第
市民プールといえどもカフェで提供される料理のクオリティは抜群! レトロさを感じながら、現代人もゆったりとリラックスできるとっておきの場所だ
フィンランドのメーデーの際に飲まれるシーマという独特の飲み物も、ここでは年中味わえる
また、フィンランド軍の最高指揮官として数々の戦争を指揮し、一時期大統領にも就任したかのマンネルヘイム氏も、このプールの愛用者の一人だったといい、敷地内の一角には彼の専用小部屋が残っています。今日ではビジネスマンや政治家たちの利用も多く、大事な商談の際にお相手をここに招いて、裸の交流で話を円滑に進める……というやり方も根付いているのだとか。
ベッドと小物置き場があるだけの簡易個室だが、今も昔もちょっと身体を休めるにはこれくらいで十分!
残念ながら夏の間は毎年長期休暇に入ってしまいますが、ヘルシンキの繁華街でふっと身体を緩めたくなったら、あるいは公衆サウナを体験してみたいなら、観光者でも利用価値の高い、おすすめの民間スポットです。曜日ごとに男女がきっちり分かれているのには気をつけて。
<DATA>
■Yrjönkadun uimahalli(ウュルョン通りのスイミングプール)
住所:Yrjönkatu 21b, 00120 Helsinki
TEL:+358 9 310 87401
アクセス:ヘルシンキ中央駅から徒歩8分
営業時間:女性の日は、月曜12:00~20:00(個室利用は不可)、水・金曜6:30~20:00(個室利用は13:00~)、日曜11:00~20:00(個室利用は13:00~)
男性の日は、火・木曜6:30~20:00(個室利用は13:00~)、土曜7:00~20:00(個室利用は13:00~)
定休日:なし(5~8月は夏季休業)
カフェ営業時間:火~土曜13:00~21:00、日曜14:00~20:00
利用料金:ロッカー・個室利用有無により5.5~14ユーロ(小人割引あり)
※個室利用者のみタオル、バスローブの貸与あり
※最終ページでは、お待ちかね『かもめ食堂』の舞台レストランの魅力とオーダーシステムをご紹介!