14年間続いた自殺者3万人台がようやくストップ

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追い詰められた人を救うために何ができますか?

警察庁の統計(速報値)によると、2012年の自殺者数は昨年より2,885人少ない27,766人となり、1998年より14年間続いていた年間自殺者数連続3万人台の記録にようやく歯止めがかかりました。この背景には、2006年に成立した「自殺対策基本法」、翌年の「自殺総合対策大綱」を受け、国をあげての自殺予防対策が展開されてきた効果も大きいものと思われます。

とはいえ、地縁(地域の縁)・社縁(会社、職場の縁)が薄れ、人と人とのつながりが希薄になりつつある現代社会では、いつまた自殺者数が3万人台に復帰するのか分からない状況です。

そこで、私たち一人ひとりが、「ゲートキーパー」(悩んでいる人を自殺の危機から守る門番)の役割を担うことを意識していくことが、今後もますます必要になると思います。

「メンタルヘルス・ファーストエイド」を知っていますか?

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「り・は・あ・さ・る」の5ステップとは?

とはいっても、「どんな風に相談に乗ればいいの?」と、不安になってしまう人も多いことでしょう。

そこで、迷わずに対応できる方法の一つに、「メンタルヘルス・ファーストエイド」があります。とても分かりやすく、実践しやすい方法ですので、ご紹介したいと思います。

これは、オーストラリアで開発されたメンタルヘルス初期支援マニュアル「Mental Health First Aid」をもとに、日本の精神科医のグループが日本語版に改訂して発表したものです。具体的には、「り・は・あ・さ・る」の5つのステップで展開されています。このステップを、日本版「メンタルヘルス・ファーストエイド」※、内閣府の「ゲートキーパー養成研修」※※の資料をベースしながら解説していきましょう。

※日本版「メンタルヘルス・ファーストエイド」のHPはこちら
※※内閣府「ゲートキーパー養成研修」のHPはこちら

(1) り:リスク評価
「り・は・あ・さ・る」の「り」は、「リスク評価」の「り」。リスク評価とは、自殺や他傷行為の危険をチェックすることです。「自殺をどの程度まで具体的に考えているのか?」「死ぬための具体的な計画や準備をしているのか?」など、相手の話を聞いたり、顔色や声の様子を確かめたりして、自殺のリスクを探っていきましょう。

(2) は:判断(はんだん)・批評せずに話を聞く
「り・は・あ・さ・る」の「は」は、「判断(はんだん)・批評せずに話を聞く」の「は」。相手の話を自分の価値観で判断したり、批評したりせずに、相手の立場に立って聞きましょう。

(3) あ:安心(あんしん)と情報の提供
「り・は・あ・さ・る」の「あ」は、「安心(あんしん)と情報の提供」の「あ」。「必要な医療を受ければ、今よりも楽になる」など、安心につながる情報を伝えましょう。

(4) さ:サポートを得るように勧める
「り・は・あ・さ・る」の「さ」は、「サポートを得るように勧める」の「さ」。医療機関や身近にあるさまざまな専門相談機関でサポートが得られることを伝え、相談を勧めてあげるといいでしょう。

(5) る:セルフヘルプを勧める
「り・は・あ・さ・る」の「る」は、「セルフヘルプ」の「る」。その人が、無理なくできるセルフヘルプの方法(リラックス法、自助グループへの参加など)を一緒に考えてあげましょう。