和洋折衷、クラシックな函館元町にワイナリー「農楽蔵」オープン
函館山からの雪の街全容
名前は「農楽蔵」。「のらくら」と読む。場所は観光のメッカ函館山の麓に広がる元町。和洋折衷のクラシックな雰囲気に溶け込むような小さな2階建ての建物がワイナリー「農楽蔵」だ。
看板はなくうっかり通り過ぎてしまいそうな建物だけど、よく見ると、1階は2012年9月に設立されたワイン醸造所。2階は、2013年1月13日オープンのショップになっている。この日も「ひっそりオープン」という手書きの張り紙と「農楽蔵」の名前とオープンスケジュールが書かれた小さなプレートが、あ、ここがワイナリーねと知らせてくれるのみだった。
ワイナリー全景。クラシックでかわいい。1階が醸造場、2階がショップだ
若き夫婦二人のみで運営するワイナリー
ワイナリーということがこのプレートで分かる。
北海道室蘭市生まれの千葉育ち。高校卒業後、ソムリエスクール東京校に入学したがソムリエよりもワイン醸造へ興味を持つ。その後、フランスで計4年、山梨ルミエールで3年、栃木ココファームで数か月と経験を積み、2009年北海道ニセコ町でワイン造り、その後「農楽蔵」を開設した。フランス国家認定農業上級免状(BPA)やブルゴーニュ大学認定醸造技師(DTO)の資格も取得しており、Domaine Leflaive(ブルゴーニュ)、David Leclapart(シャンパーニュ)、Domaine Binner(アルザス)での仕込み経験をもつ。ワインファンなら垂涎の人気ワイナリーばかりだ。「のらりくらり」の言葉のイメージとは違う実に豊かな経験を持っている醸造家であることがわかる。
1000リットルの発酵タンク。フォークリフトで持ち上げられる。
奥様の佳津子さんもこれまた経験豊かだ。
東京農業大学農学部醸造学科、ブルゴーニュ大学醸造学部卒業、フランス国家認定醸造技師(DNO)を取得。神戸ワイナリーでながらく醸造を行っていた。Domaine Parent(ブルゴーニュ)、Chapoutier(コートデュローヌ)、Domaine Sylvain Pataille(ブルゴーニュ)での仕込み経験を持つ。醸造ももちろん行うが「農楽蔵のお笑い担当」でもある。関西在住の経験が生きてるネ!