金魚/金魚の種類

日本で良く見られる金魚の種類(3ページ目)

金魚は観賞魚として、人の手を介してその歴史を築いてきました。そういった背景から多種多様の金魚が存在し、それぞれ独特の魅力を放っています。中でもポピュラーな、日本で良く見られる金魚の種類を解説します。

執筆者:川浪 ナミヲ

オランダ型の金魚

オランダ獅子頭に代表される頭部に肉瘤の発達するタイプの金魚で、その肉瘤が大きく美しく発達したものは万単位の高値で取引されることもあります。

  • 和蘭獅子頭(オランダシシガシラ)
オランダ獅子頭

肉瘤の発達した「オランダ獅子頭」

頭部に肉瘤が発達した琉金の突然変異によって作出された種といわれています。鎖国状態であった江戸時代に珍しい渡来物をオランダ物と呼んでいた事と、肉瘤の発達した様子が獅子の頭を連想させることから、その名が付けられたようです。飼育は琉金と同程度で比較的容易と言えます。熊本県の特産品である巨大な「ジャンボオランダ獅子頭」は愛好家も多く人気の種となっています。

 

  • 丹頂(タンチョウ)
丹頂

白い着物に赤い髪飾りの「丹頂」

  • 昭和中期に中国から輸入された、白い体色に赤い肉瘤が特徴的な金魚です。その色彩が丹頂鶴を思わせる事からその名が付けられたと言われています。オランダ獅子頭と同じく、比較的丈夫で飼育は容易な種と言えます。

     
  • 青文魚(セイブンギョ)
体型的な特徴はオランダ獅子頭で青みがかった黒色の体色を持ちます。中国では、三つ尾や四つ尾の金魚が、上から見ると漢字の「文」の字に見えることから「文魚」と呼ばれており、体色と合わせて青文魚と呼ばれています。

  • 茶金(チャキン)
体型的な特徴はオランダ獅子頭で茶褐色の体色を持ちます。英語圏ではその体色から「チョコレート・オランダ」と呼ばれています。比較的流通の少ないレア品種の1つと言えます。

  •  東錦(アズマニシキ)
東錦

関東由来の東錦

オランダ獅子頭と三色出目金の交配によって作出された種で、頭部に肉瘤が発達したキャリコ模様の高級品種。オランダ型の王様です。全国に愛好家、愛好会があり品評会などでは主役級の金魚です。東京で作出されたことからその名が付けられたと言われています。

 

  • パール
パール

丸い体型とパール鱗が特徴の「パール」

丸い体型と真珠のように一枚一枚が珠のように見えるパール鱗が特徴。別名「珍珠鱗(チンシュリン)」。その体型からピンポンパールと呼ばれる事も多い。肉瘤が発達するタイプは「高頭パール」と呼ばれており、後述の「浜錦」の原種となっています。その愛らしい姿が人気で、全国で多く流通している種です。飼育は比較的容易ですが、琉金やオランダ獅子頭と比べるとその体型から転覆病にかかりやすいと言われています。

 

  • 浜錦(ハマニシキ)
浜錦

発達した肉瘤とパール状の鱗をもつ「浜錦」

肉瘤が水泡状に発達する高頭パールを選別し、固定した種で静岡県浜松市の金魚問屋「清水金魚」さんが日本でのこの種のルーツであることから、浜松の1字をとって「浜錦」と名付けられました。種としての歴史が新しく、遺伝的な不安定さからか比較的体質は弱く、飼育難易度は高いと言われています。

金魚の王様、ランチュウの仲間
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