住宅購入の費用・税金/確定申告・住宅ローン減税

住宅と確定申告 2013年3月版~基本の情報

確定申告は難しいと思っていませんか? 初めてだとなかなか分かりづらい確定申告も、手順どおりにやれば意外と簡単です。2012年にローンを借りて住宅の購入をした人、建築をした人、リフォーム工事をした人、住宅購入資金の贈与を受けた人、住宅の売却をした人などは、ぜひご自分で挑戦してみてください。確定申告期限は2013年3月15日までです。

執筆者:平野 雅之

2017年申告版(2016年に購入、売却、改修をした人)はこちらをご覧ください



一戸建て
住宅の購入や建築、売却などをしたときには確定申告を!
マイホームを購入したときや注文住宅を建てたとき、増改築・リフォーム工事をしたとき、または一定の改修工事をしたときの最後の段取りは確定申告です。住宅ローンを借りたときには「住宅ローン控除」の制度があるほか、一定の要件のもとで住宅ローンを借りなくても所得税の還付を受けられる制度も用意されています。また、マイホームや他の不動産を売却したときには、所得税を納めるのか還付を受けるのかは別にして、確定申告をしなければなりません。

ところが、ほとんどの人は申告手続きをしたことがなく、どうやって確定申告をすれば良いのか分からないという人も多いでしょう。しかし、一つひとつ順を追って提出書類に記入をしていけば、意外と簡単にできる場合が多いものです。

さまざまな控除や特例をうまく活用して、払い過ぎた税金はとり戻し、これから納める税金はできるだけ少なくするようにしましょう。住宅に関連する主な確定申告の概要をケースごとにまとめましたので、ぜひご自分で確定申告に挑戦してみてください。

なお、具体的なケースでの適用可否や計算方法、住宅以外の確定申告などについては、税務署の担当者や税理士の先生などにご確認ください。


確定申告でトクをする人、確定申告が必要な人

  2012年1月1日~12月31日までの間に住宅などの不動産を譲渡(売却)した人
     
  2012年1月1日~12月31日までの間に住宅ローンを借りて住宅の取得(購入・新築)、または増改築・リフォームをした人……(居住を開始した人)
     
  2011年以前に住宅の取得などをした「住宅ローン控除適用者」で、年末調整による処理を選択していない人
     
  2012年1月1日~12月31日までの間に住宅ローンを借りずに長期優良住宅を取得した人……(居住を開始した人)
     
  2012年1月1日~12月31日までの間に親などから住宅取得のための資金を贈与された人
     
  2012年1月1日~12月31日までの間に住宅の耐震改修工事を行なった人
     
  2012年1月1日~12月31日までの間に住宅のバリアフリー改修工事を行なった人
     
  2012年1月1日~12月31日までの間に住宅の省エネ改修工事を行なった人

住宅ローンの借入れや、親からの一定額以上の住宅取得資金贈与などがなく、自己資金だけで住宅を取得した人は確定申告をする必要がありません。ただし、自己資金だけで長期優良住宅を取得した場合や、一定の耐震改修工事、バリアフリー改修工事または省エネ改修工事を行なった場合には、確定申告をすることで所得税の還付を受けることができます。

また、住宅を譲渡して所得が生じた場合には、控除や特例の適用の有無にかかわらず確定申告をしなければなりません。もちろん、居住用財産以外の建物や土地などを譲渡して所得が生じた場合も同様です。

ちなみに、2011年度の税制改正により「確定申告書等をその提出期限までに提出しないことにより所得税を免れた者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することとする」という、故意の申告書不提出による「ほ脱犯」が創設されています。住宅ローン控除など所得税の還付を受けるときには関係ありませんが、不動産を売却して所得税が課せられるときには十分に注意しなければなりません。


確定申告による所得税控除の種類など

  住宅ローンを借りて、住宅を購入した人、住宅を新築した人、住宅の増改築やリフォームをした人……住宅ローン控除
     
  住宅ローンを借りずに、長期優良住宅を購入または新築した人……認定長期優良住宅新築等特別控除
     
  住宅取得資金の贈与を受けた人……相続時精算課税制度または贈与税の申告
     
  住宅を譲渡して利益があった人……3,000万円の特別控除
     
  住宅を譲渡して損失があった人……損益通算・繰越控除
     
  住宅を買換えた人……3,000万円の特別控除または買換えの特例
     
  住宅の耐震改修工事をした人……住宅耐震改修特別控除
     
  住宅のバリアフリー改修工事をした人……住宅のバリアフリー改修促進税制
     
  住宅の省エネ改修工事をした人……住宅の省エネ改修促進税制

なお、住宅を貸して家賃収入があった人は、損益通算制度を利用して所得税の還付または減額を受けることができる場合もあります。また、災害や盗難などで一定の損害を受けた人は、雑損控除により所得税の還付を受けることができます。住宅を貸した場合の確定申告については≪マイホームを賃貸した場合の確定申告≫をご参照ください。


住宅ローン控除、認定長期優良住宅新築等特別控除、相続時精算課税制度、贈与税の申告については、≪住宅と確定申告 2013年3月版~購入のとき≫をご参照ください。

3,000万円の特別控除、損益通算・繰越控除、買換えの特例については、≪住宅と確定申告 2013年3月版~売却のとき≫をご参照ください。

住宅耐震改修特別控除、住宅のバリアフリー改修促進税制、住宅の省エネ改修促進税制については、≪住宅と確定申告 2013年3月版~改修のとき≫をご参照ください。


その他の主な控除

一定の要件のもとで土地などを譲渡した場合に、所得控除を受けられる制度があります。特定住宅地造成事業等のために譲渡した場合(特別控除額1,500万円)、特定土地区画整理事業等のために譲渡した場合(特別控除額2,000万円)、収用等により譲渡した場合(特別控除額5,000万円)などですが、これらに該当するときの確定申告手続きについては、税務署の担当者や税理士の先生などにご確認ください。


確定申告の用紙、手引き、提出期間など…次ページへ


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